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メディアプランナーのつぶやき。ITおよび製造業のマーケティングについての考察。ときどきマンガとアニメ。

タミヤ本社見学と静岡ホビーショー

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5月18日(土)、静岡ホビーショーに行ってきた。同時に、タミヤ本社もこの二日間オープンハウスということで会社見学が出来るようになっていたので、これ幸いと堪能してきた。合わせてお伝えしたい。
 
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「模型の世界首都」と謳うだけあって、様々な国の人たちが来場していた。
 
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■静岡ホビーショーにて
 
このホビーショーは、日本で最大級の模型の祭典である。
今回初参戦で、個人的に見たいポイントは二つあった。一つは完全に趣味なのだが、最近サバイバルゲームというものにはまっていて、新製品の銃が出るこの展示会でいろいろ触ってみたかったのだ。
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リアルな銃撃音がウリの新製品。サバゲでは使えそうにないか…。
 
もう一つは仕事に関係するのだが、製造業メディアとしての視点として、こういったホビー市場の動向を見ておきたかったということ。昨年実施したバーチャルイベントでは、ガンプラの設計をテーマとして、バンダイの設計者の方に講演いただいたが、今後もそういった路線は受けるのだろうか、また、いまウケている製品は何か、などである。
 
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ガンダムは不動の人気プラモ。
 

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子供にはダンボール戦記が受けているようだ。DSで写真を撮るのはいまや見慣れた光景に。
 
また、出展者のメーカーの設計者に運よく会えれば御の字、という感じで、あまり事前準備せずに行ったのだが、一番大きなブースを出していたタミヤの方に「ミニ四駆の設計されてる方って来てますか?」と聞いたところ、「いまオープンハウスが同時開催していて3DCADで設計している様子も見られますよ」ということで、すぐにそちらに伺うことに。
 
いやはや、なんでも聞いてみるものである。(事前の調べが足りていないとも言う)
 
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大人も子供も熱中するミニ四駆。左手の子供はタミヤ社員に熱心に話を聞いていた。
 
 
 
■タミヤ本社にて
そしてタミヤ本社へ。静岡ホビーショーの会場であるツインメッセ静岡から直通のバスも出ていたが、歩いて15分程度のところだったので徒歩で行くことにした。海も近いため潮の香りを感じつつ進んでいくと、お目当ての★★マークが見えてきた。
 
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タミヤ本社に到着。
 
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タミヤフィリピンから研修でやってきていたセナンドさん。(本人に掲載許可いただきました。)
ミリタリー系のプラモデルの車体デザインなどをされているそうで、2D/3DCADも使用しているとのこと。この日は屋外での案内を担当されていた。
 
いまタミヤの製品は約65%がフィリピン(セブ島)での生産なのだとか。
フィリピンに進出している日本企業のなかでもかなり大きい工場らしく、1400人が働いているとのこと(うち日本人は十数名)。
 
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今回、オフィスの中ではミニ四駆を3DCADで設計している様子も見ることが出来たが、残念ながら撮影はNGだった。設計されていた方に直接お話を聞くことが出来て、いろんな発見があったが、個人的にもっとも驚いたのが「ミニ四駆は流用設計をしていない」ということだ。
 
「流用設計」というのは、その名の通り設計データを流用することで、開発期間の短縮や、品質を担保出来るという利点がある。一方で、オリジナリティあるデザインが出てこない、というデメリットが生じる場合もある。携帯電話や家電などのコンシューマー系の商品に多い印象があり、ミニ四駆もそうではないかと思い聞いたところ、「流用することもあるが、それはごくまれで、新製品の場合は、基本的にはデザインスケッチやクレイモデル(粘土による試作)から、3DCADによるモデリングまですべて一から行う。」 「ミニ四駆の外観は、似ているようで、実は全然違う。」ということであった。奥が深い。また、設計のポイントは「形状(デザイン)」「強度設計(丈夫かどうか)」「コスト」であるとのこと。
 
そのほか、射出成形してるところでもお話を聞いてみたが、ガンプラと同じく樹脂流動解析はしていないようだ。解析するよりも、設計と試作の現場が近いので一回作って試してみるほうが早い、ということらしい。
 
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やはり現場に行って直接人に話を聞くと、実感を伴って事実確認が出来るので良い。
設計や射出成型をしているところも見ることができ、非常に満足ができた静岡遠征であった。
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