ソーシャルメディア時代の動画広告「Tipp-Ex|A hunter shoots a bear」 - TVCMからWEBCMの時代へ(後編)
前回のエントリでは、TV広告費の推移とともに1980年代~現在のCMまでを振り返りました。
では、今後の動画広告の形はどうなっていくのでしょうか?
その方向性の1つになるかもしれないと思っているものを下記に紹介します。
8/25の公開から1ヶ月弱で、約800万回再生されている動画です。
ヨーロッパの企業の「Tipp-Ex」という修正テープのブランディングが目的です。
最後にリンクが表示されますので、クリックしてその先をご覧ください。
ここでは、YouTubeの「動画アノテーション」という機能が活用されています。
これによって、今まで独立して存在していたYouTube上の動画は、他の複数の動画と組み合わせて、いくつものストーリーを
展開できることになります。しかし、上記の動画広告が素晴らしいのは、それだけではありません。
この一連のプロモーションには、「皆で共有して楽しんで欲しい」という明確な意思が現れているのです。
■ソーシャルメディア時代の動画広告とは?
TwitterやFacebookといったソーシャルメディアが大きなプラットフォームとして成長してくると、
1人1人がメディアとなっていきます。そこでのプロモーションとして、たとえばYouTubeに公式
サイトを設置して面白いコンテンツを作ったとしても、それが「見て面白かった」で終わって
しまうものでは不完全です。
できるだけ多くの人に見てもらいたい、と考えるのであれば、今後用意するコンテンツは、
「他の人にも見てもらいたい、共有したい」という行動をしてもらうことが重要です。
つまり、「認知と同時にアクションを起こすことを内包させている動画コンテンツ」
であることが求められるのではないでしょうか。
商品と、その商品の広告によって、人と人とが「つながる」。
これが新しい動画広告として増えていくのではないかと思っています。
というか、個人的な願望として、もっとこういう面白い動画や仕組みが見たいってのが
大きいのかもしれませんが(笑)
面白いTVCMをたくさん見てきたものとして、やはり「動画」の力は強いと思っています。
しかし、いまテレビを見ていてもそうしたコンテンツは少ないのです。
なお、Tipp-Exの広告のクリエイティブ的な部分で見逃してはならないのが、
「修正テープ」という商品が、この一連のプロモーションに無くてはならない存在になっている。
(ただ面白いというだけのCMとは一線を画している)
という点です。ここを落とすと、取り組みとしては面白くても、商品の広告としては不完全です。
欲を言えば、このサイト内からTipp-Exを買える仕組みがあれば販売に直結していて良かったかなーと。
ま、そうしてしまうと、その短期間での販売額がゴールになってしまって、狭いプロモーションしか
出来なくなってしまっていたかもしれませんが。
他にも面白い動画があれば、コメント欄もしくは @dyamaoka へお教えいただけると嬉しいです。