オルタナティブ・ブログ > 代替案のある生活 >

ITの技術や方向性考え方について別の選択肢を追求します

Diaper, Beer and Dancing Baby (おしめとビールと踊る赤ん坊) - データウェアハウスの生い立ち

»

発想七日!の堀内さんが『紙おむつとビールの伝説』というブログを書かれていたが、十数年前、実際に私はその伝説ができあがる場所に私がいたので(っつう か、私たちが作ったのかな)、別途ブログにしたいと思います。こういった、細かい歴史は、埋もれていってしまうので、ここに書き留めておきたい、のです。

データウェアハウスは、IBMアイルランドのバリー・A・デブリン博士とポール・T・マーフィーが提唱し、IBM Systems Journal VOL 27. NO1 1988 に『An architecture for a business and information system』と題した論文で発表した。PDF はこちらからダウンロードできます
 
この中では、史上初めて、エンドユーザコンピューティングやビジネスデータ、データの多面的なビューなどが議論されている。クロス・ファンクショナルなビ ジネス情報を、柔軟にしかも現在で言う『アジリティ』、迅速性を求めたり、業務系システムと情報系システムの時系列問題なども書かれている。

IBM がこの世に出してきた技術や考え方の中で、リレーショナル・データベースとデータウェアハウスは、今の IT 基盤の中でも、たいへん重要な位置と意味を持っている。IBM のコンピュータ業界に対する、大きな貢献だと言って良い。

さて、デブリン博士らの論文を元に、IBM は1990年に『Information Warehouse』を発表した。さらに、UNIXや Windows、OS/2 上での DB2 も発表した。数年後、ジャネット・パーナという、カナダ・トロント研究所に本拠地を置くDB2開発チームのトップが、DB2のジェネラル・マネージャに なった。

ジャネットや彼女が信頼を置く、技術的なナンバーワン・スタッフのジョージ・バックラツが、頻繁に日本に訪れるようになった。ジャネットやジョージは、カ ナダ人らしいジョークを話す、楽しい連中だった。UNIX / Windows 系のDB2だと、主目的としてデータウェアハウスに使うこともあったので、彼らの講演では、英国のセーフウェイの事例をよく使っていた。

その延長として、データウェアハウスを良く理解するための方法として、おむつとビールの例を使っていた。つまり。

若い夫婦で、赤ちゃんが出来ると、買い物は旦那の仕事になる。週末が近づく金曜日、奥さんから「赤ちゃんのおしめを買ってきてね」といわれたまだ若い旦那 は、しかたなくスーパーマーケットに立ち寄る。おしめの売り場を探して、「あーぁ」と、半分いやいやおしめをカートに入れるとき、もし隣にビールのシック スパック(ビールが半ダース入ったパック)が置いてあったら。キラリと目が光り、それは当然買いたくなって、カートに入れてしまう。でしょ!

『若い旦那(父親)』『おしめ』『ビール』といった、一見脈絡のなさそうなものが、データウェアハウスを使うと、うまくつながって、利益を上げることができる、というお話を解りやすく説明するのに『おしめ』と『ビール』を使った訳です。はっきりいってジョークですよね。
 
ジョージはいまやDB2関連の本を何冊も出版する有名人になった
けれど、この頃からとても面白いやつで、この『おむつ』と『ビール』の例を話す前に、この ムービーをPCで流してました。トヨタのCMで有名になったけれど、最初はPCで稼働するソフトだったのだ。その後、NHKの『アリー My Love』でも出てきて有名になった。ね。赤ん坊とおむつ。ビールは?これ見てるとビールが飲みたくなるでしょう(苦し紛れ)。

Comment(1)