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公教育と社会の連携エコシステム構築

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現代社会において、急速なデジタル化やグローバル化が進行しており、日本の社会構造も大きく変化しています。この変化に伴い、多様な人材の育成が急務となってきています。

経済産業省は2024年7月12日、「第6回 イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」を開催し、「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会 報告書」を公表しています。

本報告書では、以下の内容から構成されています。

1.学びを取り巻く環境変化と目指す姿
2.社会に開かれた学びの実装に向けた課題
3.社会に開かれた学びの実装(社会のリソース活用)に向けた様々な試み・
4.共助の拡大と学びの多様化に向けて

従来の工業化社会とは異なる「思考・発想」を持ち、主体的にイノベーションを起こせる人材が求められています。このような背景のもと、共助を通じた学びの選択肢の多様化が必要とされており、この内容に焦点をあてながらとりあげていきたいと思います。

社会構造の変化と多様な人材の必要性

社会構造の変化により、知識や価値の創出プロセスが変貌し、多様な人材が必要とされています。内閣府の「Society 5.0の実現に向けた教育・人材育成に関する政策パッケージ」や日本経済団体連合会の提言などが示すように、今後は主体性を持ち、他者と協働して新たな価値を生み出す人材の育成が重要となっています。

学びの在り方の変化

文部科学省の「GIGAスクール構想」や経済産業省の「未来の教室」事業により、オンライン・デジタルサービスを活用した多様な学びの選択肢が提供されつつあります。これにより、個別最適化された教育環境が整備され、子供たち一人一人の特性や個性を伸ばすことができるようになっています。

多様な学びの充実と主体性の育成

国際学力調査PISA2022の結果、日本の子供たちの学力は世界トップレベルである一方で、自ら課題に取り組む主体性の低さが指摘されています。自主性を持って学ぶことができる多様な学びの選択肢が必要とされており、これを実現するためには学校だけでなく企業や個人など多様なステークホルダーが学びに関与する共助の仕組みが求められています。

共助による学びの選択肢の多様化

共助による学びの選択肢の多様化には、以下のような取り組みが重要としています。

企業の関与
企業が教育活動に積極的に関与することで、実践的な学びの機会が増える。例えば、企業が学校と連携して教育プログラムを提供するケースが増え、企業の社会貢献活動も促進する

個人の寄附
教育機関への寄附を促進するための仕組みが整備されつつあり、個人が教育機関に寄附することができる環境も整備され、教育資源の充実につながる

自治体との連携
自治体が企業や地域社会と連携し、教育資源の効果的な活用を進める取り組み進展。その例として、地域プロジェクトマネージャーの配置やクラウドファンディングを活用した資金調達など

公教育と社会の連携エコシステム構築

公教育と社会が連携したエコシステムの構築は、持続可能な教育環境の実現に不可欠です。自治体や企業、個人が協力して教育資源を共有し、多様な学びの場を提供することで、子供たちの主体性や創造性を育む取組が求められています。

出典:経済産業省 第6回 イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会 2024.7

今後の展望

共助の拡大と学びの多様化は、現代社会の要請に応えるために必要不可欠であり、多様なステークホルダーが連携し、教育資源を最大限に活用することで、未来を切り拓く多様な人材を育成する環境を整えていくことが求められています。

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