製造業向けの10の予測を公表。労働不足による自動化が加速。IDCのアジア・太平洋地域から
IDCは2022年2月4日、「2022年以降の製造業に関するアジア・太平洋地域のトップ予測結果」を公表しました。
製造業界の見通しは、過去24ヵ月間で大きく変化し、オペレーションの回復力と俊敏性を高めるための先端技術とプロセスの最適化に対する投資が加速しています。
製造業は、遠隔操作、自動化、統合、データ主導の意思決定を支援するコラボレーションを可能にするテクノロジーに投資してきました。
また、労働力の不安と制約から、現場の労働力を補強するためのハードウェアとソフトウェアの自動化の必要性が増加し、資産の保守と最適化を拡大するためのリモート機能を優先しています。
IDCは、「IDC FutureScape : Worldwide Manufacturing 2022 Predictions - APEJ Implications」を発表し、2022年以降におけるリモートファースト、コラボレーション主導のエコシステムの予測トップ10を明らかにし、自律性とデータ主導の製造を支えるIT投資に対するコンテキストと基本ドライバーを組織に提供しています。
IDCでは、
製造業の組織は、バリューチェーンの破壊と変動の増大に対処するために、デジタル変革プロジェクトを立ち上げて加速する必要性への意識が高まっています。リアルタイムでのデータ取得を可能にするテクノロジー主導の介入に焦点が当てられており、これにより組織は運用リスクを最小化することができます。デジタル商取引チャネルへの投資が増加しており、製造業者がアジャイルフレームワークで実行することの必要性が急速に高まっています。
とコメントしています。
IDCでは、製造業向けに、ビジネスリーダーに、アジャイルで協調的、かつ回復力のある組織を作るために必要な技術動向と投資について、以下の10の指針を公開しています。
#1位:リモートファーストプロセス
2020年にはリモートファーストのプロセスは非常に限られていたが、2024年にはA2000(アジア・太平洋地域)企業の33%がすべての新しいプロセスをリモートファースト設計として開発する。
#2位:AI予測
2024年までに、APeJベースのサプライチェーン予測の40%が人工知能の利用により自動化され、精度が5%ポイント向上する。
#3位:サービタイゼーション・オファリング
2024年末までに、A2000のOEM企業の50%が、標準的な契約や消耗品を超えた柔軟なサービス製品を提供し、90%以上の顧客維持率を達成し、サービスマージンを5%増加させる。
#4: センサーを活用した画像解析
2027年までに、APEJに拠点を置く企業の25%が業務において画像解析を活用し、品質検査やセキュリティのユースケースから、パフォーマンス、体験、安全性に焦点を当てたユースケースに移行する
#5位:データ・エコシステム
2025年までに、APEJに拠点を置くメーカーの25%が、エコシステム(パートナー、顧客、サプライヤー)においてデータを共有し、それによって工場オペレーションのOEEを平均10%向上させる
#6位:B2Bデジタル・コマース
2024年までに、世界的な大流行により、APEJに拠点を置く製造業の60%がB2Bデジタルコマースに投資し、営業とマーケティングの効果を15%向上させる
#7位:アプリケーション・エコシステム
2024年までに、APEJに拠点を置く製造企業の25%が、可視性と業務効率の向上、および安全性、セキュリティ、品質の確保を目的として、業界エコシステム・パートナーとアプリケーションを共有するようになると予想
#8: ローコードプラットフォーム
2026年までに、APEJに拠点を置く企業の40%以上が、ローコードプラットフォームとツールを利用して、接続型製造のニーズをサポートできるスマートなカスタムアプリケーションを構築し、導入の手間を33%削減すると予想
#9位:APIを活用した統合
2023年までに、A2000のメーカーの40%がAPI主導の統合戦略を採用し、アプリケーションを単一のプラットフォームとして連携させ、組織全体の俊敏性と可視性を向上させる
#10: トレーサビリティ技術
製造エコシステムにおける環境説明責任への要求の高まりにより、2025年までにA2000の製造企業の40%が、リスクの軽減と透明性の向上を目的にトレーサビリティ・テクノロジーを利用するようになると予想