コロナ後に求められる社会像:持続可能で、レジリエント性を有し、多様な価値観を受容できる社会 ~令和3年版情報通信白書
総務省は2021年7月30日、「令和3年版情報通信白書」を公表しました。何回かに分けて、とりあげたいと思います。今回は、「誰一人取り残さない」デジタル化の実現に向けての中から、コロナ後に求められる社会像について、とりあげたいと思います。
コロナ禍の我が国を取り巻く様々な社会・経済課題について整理したが、コロナ後の日本にお
いて求められる、これらの社会・経済課題を乗り越えた先の社会像について示すこととしたいとしています。
ア 持続可能な社会
人口減少・少子高齢化は当分の間続くことが予想される中、我が国において社会・経済機能をいかに維持していくかは喫緊の課題である。また、環境問題の深刻化など、世界規模での持続可能性が課題となっている。そのような危機的状況を乗り越え、いかなる時も国民の生活や企業活動を支える持続可能な社会を形成していくことが求められている。
イ レジリエントな社会
今回の新型コロナウイルス感染症の流行は、我が国の社会・経済システムの脆弱性を露呈させた。また、我が国は世界有数の災害大国であり、将来的には大規模災害の発生が様々な地域で予想されているところである。今後、感染症や災害の発生といった非常時においても、国民生活や経済活動における混乱を防げるような最低限の社会・経済機能を維持できる、強靱性が確保された社会の形成が、都市と地方のいずれにも求められている。
ウ 多様な幸せが実現できる社会
我が国においても、経済成長を実現した後の社会では、一人ひとりの嗜好が多様化しているほか、コロナ禍の影響もあってか、経済的な成功よりも健康的な生活を志向する人が増えるなど、価値観の多様化が進んでいる。こうした一人ひとりのニーズに合ったサービスや正確な情報が提供されることで、画一的でない多様な幸せが実現されるような社会の形成が求められている。
出典:令和3年版情報通信白書 2021.7.30