急成長するデジタル関連コンサルティング市場

調査会社のIDC Japanは2021年7月1日、「国内コンサルティングサービス市場予測」を発表しました。IDCの調査では、2020年の同市場規模は前年比1.1％増の8,623億円になったとみられ、2025年に1兆2,551億円に達すると予測しています。

コンサルティングサービス市場の内、ビジネスコンサルティング市場は、2020年半ばに新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、新規案件の停滞や継続案件の凍結といった影響を強く受けましたが、その後は需要が急速に回復し、2020年もプラス成長を遂げています。

2021年に入ると、デジタル関連の需要が既存顧客層からのプロジェクトスコープの拡大と、新たな顧客層によるDXへの取り組みの開始の両面で市場成長を牽引し、高成長軌道へと回帰しています。これらを受け、IDCでは同市場の予測を上方修正し、2020年～2025年の年間平均成長率は9.3％で、2025年に8,012億円になると予測しています。

中でも急速な成長が見込まれているのが「デジタル関連ビジネスコンサルティング」市場です。
「デジタル関連ビジネスコンサルティング」市場は、2020年に前年比29.3％増の1,337億円となり、戦略からオペレーション、業務改善、財務／経理、人事／組織、リスク管理といったサービスラインの内、複数領域を含むデジタルトランスフォーメーション支援型の案件が増加している事が、逆風下での高成長の大きな要因としています。2021年以降もプロジェクトスコープの拡大や、中長期の継続的な支援案件の増加が見込まれる点を背景に、同市場は2020年～2025年のCAGR 30.1％で高成長を維持し、2025年に4,986億円に達するとIDCでは予測しています。

同様にデジタル関連のITコンサルティング市場も大きな成長が期待されています。

国内コンサルティングサービス市場　支出額予測： 2019年～2025年
出典：IDC Japan 2021.6

DX推進の重要性が指摘される中で、ユーザ企業の多くはデジタル関連のコンサルティングに依頼をして、DX推進に向けた土台づくりや推進に関する取り組みが重要になっていくことになるでしょう。