DX解説(16) DXに向けた戦略の立案・展開
経済産業省が発表したDXレポート2では、DX 成功パターンに、DX に向けた戦略の立案・展開にあたって前提となる「組織戦略」と「事業戦略」、「推進戦略」の3つの戦略を示しています。
(1) 組織戦略:
DX の成功事例のうち、組織の観点で特徴があるものに、経営者・IT 部門・業務部門が協調して推進する、というパターンがある。企業の方針を決めるにあたっては、このような三位一体の対話によって共通認識を形成すべきである。
(2) 事業戦略:
「顧客や社会の問題の発見と解決による新たな価値の創出」と、「組織内の業務生産性向上や働き方の変革」という二つのアプローチを同時並行に進めることが重要である。いわゆる「両利きの経営」と言われるように、既存事業の効率化と新事業の創出は両輪で検討すべきである。既存事業の見直しにより産まれた投資余力を新事業の創出にあてることで、企業の競争力と経営体力を高めることが出来る。
(3) 推進戦略:
重点部門を見極め、小さく始めて、段階的に全社的な取組みに広げることを検討すべきである。これによって、まず重点部門で成功事例を作り出してから組織全体へ展開し、あわせて、DX を推進する上での課題を早期に明らかにしつつ対応する、というアジャイル的な DX の推進が成功への鍵となる。
戦略ではそれぞれの組織の共通認識、事業戦略では既存事業の見直しと新事業の創出、推進戦略ではアジャイル的なDX推進、をあげています。これらの戦略を示し、具体的に取り組んでいくことで、方向性やアクションなどにつながっていくと考えられます。
出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12
※経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ」(2020年12月28日)を公表しており、この資料からも適宜引用しています。