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ニューノーマル時代に求められるコンポーザブル・ビジネス

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調査会社のガートナーは2020年11月17日、「組織は不確実な時代においてレジリエンスとアジリティを高めるために、コンポーザビリティを追求すべきという見解」を発表しました。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックや他の要因によってビジネスの混乱が続く状況において、企業のレジリエンス (回復力) と持続可能性を高めるために、CIOやITリーダーはコンポーザビリティの発想を適用すべきとの見解を示しています。

ガートナーでは、コンポーザブル・ビジネスを、

レジリエンスの改善にむけてアーキテクチャを設計し、破壊的変化を標準として受け入れるビジネス

と定義しています。

コンポーザブル・ビジネスは、

システム、アプリケーション、人材など企業経営に関わるモノをビジネス機能の粒度で定義 (モジュール化) し、それらを適切に組み合わせる (オーケストレーションする) ことで確実な成果を出せるよう企業を支援

するとしています。

コンポーザブル・ビジネスを導入した組織は、

変化が必要なタイミングを感知 (検出) し、自律的なビジネス部門を生かして、デジタル・テクノロジがもたらすディスラプション (破壊) に創造的に対応することができるようになる

としています。

ガートナーが実施した2021年の取締役向けサーベイでは、企業の取締役会の69%が、継続的な混乱に対処するため、企業のデジタル戦略と実装を加速したいと回答しています。

ガートナーでは、

コンポーザブル・ビジネスは、組織が日々営むデジタル・ビジネスを自然に加速ささせ、これによって組織は、現在の興味深い状況において求められる、レジリエンスとアジリティ (俊敏性) をようやく実現できるようになります

とコメントしています。

コンポーザブル・ビジネスは、その基本として3つのビルティング・ブロックを持っています。

「創造的な思考が決して失われないようにするコンポーザブル・シンキング」
「柔軟性とレジリエンスを確保するコンポーザブル・ビジネス・アーキテクチャ」
「現在および未来のためのツールであるコンポーザブル・テクノロジ」

です。

ガートナーでは、

多くのCIOは、組織のレジリエンスを確保するため、以下のコンポーザビリティの4つの必須原則を示しています。

『検出によるスピードアップ』
『モジュール化によるアジリティの強化』
『オーケストレーションによるリーダーシップの向上』
『自律によるレジリエンスの実現』

です

コンポーザブル・シンキング
「設計の原則」として、何をいつつくるかを概念化するために必要なアプローチを導く

コンポーザブル・ビジネス・アーキテクチャ
「構造的機能」として、ビジネスのアーキテクチャ設計に利用するメカニズムをもたらす

コンポーザブル・テクノロジ
「プロダクト・デザインの目標」となり、コンポーザビリティの概念を支えるテクノロジ機能を特定

組織に必要なものは、コンポーザビリティを実現するための原則とブロックと整理しています。

コンポーザビリティのビルディング・ブロックを使用することで、新しい機会、業界、顧客基盤、または収益源へと素早く方向転換できるとしています。

ガートナーでは、

3つのビルディング・ブロックを使用し、4つの原則を適用して、よりコンポーザブルなビジネスを創出します。これにより、組織はコンポーザビリティによって、デジタル化を加速し、レジリエンスを高め、ディスラプションを通じたイノベーションを実現できるようになります。

とまとめています。

クラウド界隈でも、クラウドネイティブやマイクロサービスアーキテクチャなどが議論、注目されていますが、ビジネスの分野においても、モジュール化やオーケストレーションの発想が求められてきていると感じています。

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