「自治体戦略2040構想」の推進について
総務省は2018年8月31日、「落ち着いて、やさしく、持続可能な社会の実現(総務省重点施策2019)」および、「平成31年度総務省所管予算概算要求の概要」を公表しています。
今回の重点施策では、日本の最大の危機である人口減少に立ち向かうため、2040年頃の姿から逆算する形で整理した課題に対し、地方公共団体と各府省の施策がうまく機能するよう、自治体行政の変革を進めるとともに、この危機をチャンスと捉え、ICTのアグレッシブな導入などにより、産業、地域、人々の暮らしの「実現したい未来の姿」への変革を促進し、全て
の人にとって、落ち着いて、やさしく、持続可能な社会を実現していくとしています。
大きな柱は以下の5点です。
Ⅰ 個性と活力ある地域経済と安定的な地方行財政運営の確保
Ⅱ ICTのアグレッシブな導入によるSociety5.0の実現
Ⅲ 暮らしやすく働きやすい社会の実現
Ⅳ 防災・減災/復旧・復興
Ⅴ 国民にとって効率的で利便性の高い行政基盤の確立
今回は、Ⅰ 個性と活力ある地域経済と安定的な地方行財政運営の確保の中から「3.自治体戦略2040構想の推進」について、ご紹介をしたいと思います。
自治体戦略2040構想の推進では、自治体行政スマートプロジェクト/クラウドの進展を見据えた次世代の自治体情報システムの在り方などの検討を行っていくとしています。
(1) 自治体行政スマートプロジェクトでは、本格的な人口減少社会となる2040年頃には、官民を問わず、労働力の供給制約に直面する。従来の半分の職員でも自治体として本来担うべき機能が発揮できる仕組み(=スマート自治体への転換)が必要であるとし、AI・ロボティクスが処理できる事務作業はAI・ロボティクスによって自動処理するスマート自治体への転換を図るため、自治体行政の様々な分野で、団体間比較を行いつつ、AI・ロボティクス等を活用した標準的かつ効率的な業務プロセスを構築するプロジェクトを創設していくとしています。
自治体RPAの動きの流れと思われます。
総務省では、【予算】 自治体行政スマートプロジェクトの実施に要する経費2.4億円【新規】 の概算要求をしています。
出所:総務省重点施策2019 2018.8
(2)クラウドの進展を見据えた次世代の自治体情報システムの在り方等の検討では、今後の人口縮減期を見据え、次世代の自治体情報システムの在り方等に関し、業務プロセスの見直し等の動きも踏まえながら、クラウド型の共通プラットフォームの構築等を念頭においた調査研究を実施していくとしています。
また、自治体行政の標準化・共通化を見据えた集中型の新たなセキュリティクラウドや、セキュリティレベルを維持しつつ、操作性の向上を図ることのできる新しい技術の適用に向けた調査研究を実施していくとしています。
総務省では、
【予算】 クラウドの進展を見据えた次世代の自治体情報システムの在り方の検討 1.1億円(30年度 0.7億円)
【予算】 集中型の新たなセキュリティクラウドの仕組等自治体情報セキュリティ対策
1.0億円(30年度 0.5億円)
の概算要求をしています。