自治体クラウド
現在、全国には1,700を超える市町村があります。自治体クラウドは、全国の市町村の自治体がクラウド技術を電子自治体の基盤構築に導入することで、情報システムの効率的な整備や運用、そして住民サービスの向上などを図ることを目的としています。
自治体では、財政難が続く中、個別に情報システムを構築・運用することが困難な状況となっています。そこで、自治体業務の情報システムをクラウドおよびデータセンターへ集約することによって、複数の市町村で共同利用するようにします。同時にシステムのオープン化や標準化を進めることで、スケールメリットを生かした地域全体におけるコスト負担の軽減や、効率的な電子自治体の基盤構築の実現、より便利な行政サービスの提供が期待されています。たとえば、災害時における住民情報の喪失防止や行政機能の迅速な回復、そしてサービスの継続性の確保など、耐災害性の強化の観点からも活用することができます。また、クラウドに蓄積されたデータを連携させることによって、利便性を向上させた、付加価値のある行政サービスの提供なども可能となります。
●自治体クラウドの形態
自治体クラウドの形態としては、
・複数の自治体が共同でクラウド事業者に運用を委託する形態
・クラウド事業者が提供するクラウドを、個々の自治体が選択して導入する形態
などが挙げられます。
総務省は2014年3月に「電子自治体の取り組みを加速するための10の指針」を公表し、自治体クラウド導入の加速を最優先課題と位置付け、行政情報システムの改革に関して地方公共団体に期待される具体的な取り組みを提示しています。
政府では、2016年度から2018年度の集中改革期間において「(地方)業務の簡素化・標準化」と「自治体クラウドの積極展開」による自治体の業務改革を促進していくとしており、自治体クラウド導入団体は現状の17%から、35%までの増加を目指しています。