製造業におけるクラウド活用
製造業においては、オンプレミスシステムにある生産・調達管理システム、製品開発システムや人事・財務などのコーポレート系などをクラウドサービスへ移行するケースが増えています。
製造業の場合、国内だけでなく、多くは海外にも工場などの生産拠点を構えています。そのため、各国ごとにシステムを構築すると、システムの仕様がバラバラとなり、システム調達やセキュリティへの対応、拠点全体のシステムの構築や運用などの対応に大きな時間とコストがかかります。
海外拠点展開にあたっては、オンプレミスシステムをクラウドサービスに移行するとともに、新たに拠点展開する場合は、最初からクラウドサービスを導入することで、システム全体の最適化と、迅速な事業展開と運用コストの削減につなげることができます。
オンプレミスシステムをすべてクラウドサービスに移行するには、ライセンスの問題やパフォーマンスなどの問題で難しい場合があります。その場合は、オンプレミスシステムやデータセンターとの併用といったケースもあります。また、オンプレミスシステムの更改時にあわせて、数年かけて、段階的にクラウドサービスに移行するといったことも必要となるでしょう。
製造業が、日本の拠点にオンプレミスシステムで構築運用している場合は、地震などの災害リスクが伴います。そのため、たとえば、日本をメインサイトにし、シンガポールなどの海外拠点をバックアップ拠点にするとことで、国をまたがるデータのバックアップ構成をとることで、大規模な災害時においても、事業継続性を高めるといったケースも増えています。
海外拠点への事業展開にあたっては、クラウドサービスの利用だけでなく、ネットワークサービスやマネージドサービス、セキュリティサービスなど、クラウドサービスをベースに、極力グローバルに共通化された仕様でシステムの標準化や全体最適化と事業展開の迅速性を高めていくことが必要となるでしょう。