クラウドプロフェッショナルサービスの市場性と事業機会
調査会社の「Technology Business Research Inc.'s (TBR) 」は2014年7月、クラウドプロフェッショナルサービス市場とベンダ機会というテーマで「The Maturing Cloud Professional Services Market and Vendor Opportunity」をSlideshareで公開しています。
TBRでは、
クラウドプロフェッショナルサービスの定義として
- Cloud Consulting (クラウドコンサル)
- Cloud Systems Integrations(SI) (クラウドシステム・インテグレーション)
- Cloud Applications Development and Maintenance(ADM) (クラウドアプリケーション開発管理)
- Cloud Operations,Management and Mainenance Service (クラウド運用管理)
の4点をあげています。
マネージドプライベートクラウドの定義では、
- Maaged Private Dynamic Apps
- Managed Private PaaS
- Managed Private IaaS
- Managed Private BPaaS
とそれぞれ4つのレイヤに分けています。
クラウドプロフェッショナルサービスと、マネージドプライベートの市場ですが、2014年の41.7$から2018年には69.8$に達すると予測しています。
出所:The Maturing Cloud Professional Services Market and Vendor Opportunity
また、クラウドプロフェッショナルサービスの領域での各事業者の収益の成長性ですが、以下のとおりとなっており、HPやIBMなどが上位となっています。
出所:The Maturing Cloud Professional Services Market and Vendor Opportunity
一方、米調査会社のMarketsandMarkets(マーケッツ&マーケッツ)は2014年10月、クラウドプロフェッショナルサービスの市場によると、クラウドの導入のコンサルやインテグレーション、構築、運用保守などの市場規模は、2014年は100億ドル程度の市場規模から5年後の2019年には3倍以上の340億ドル(約4兆円)まで成長すると予測しており、クラウドプロフェッショナルサービス市場のより高い成長性が伺えます。
調査会社のIDC もクラウドプロフェッショナルサービスの市場を分析しており2014年8月に「IDC MarketScape: Worldwide Cloud Professional Services 2014 Vendor Analysis」を公表しています。
クラウドサービスのIaaSレイヤのコモディティ化が進み、IaaSレイヤでは差別化が困難になった中、より上位レイヤのサービスやクラウドプロフェッショナルサービスなどによる付加価値や差別化による提案や提供がより重要な位置付けとなっています。
先日、とあるクラウドインテグレータの方と情報交換した際に、通常のクラウド構築運用案件は利益が出しにくいためあまり手をださず、セキュリティの要求が高いなど高度な案件を中心に対応をし、利益率を高めたアプローチをしているといった趣旨の話を伺いまました。こういった流れはクラウド市場が成長する中、益々顕著となってクラウドプロフェッショナルサービスの市場成長を促していくと考えています。