企業の新型インフルエンザ集団感染におけるIT活用について
新型インフルエンザの感染者が増加傾向にあり、そのピークが9月末から10月上旬と言われています。特に企業内に集団感染者が出れば、企業にとっては大打撃となるでしょう。企業は集団感染等を想定し、BCP(事業継続計画)の対応を強化する必要が出てきています。
企業で集団感染者が出た場合は、自宅待機が原則となるケースが多いと思いますが、自宅待機時においても業務を続けることができるといった体制を整備することが需要となるでしょう。そこで、自宅ではシンクライアントやそれに変わる端末やソフトウエア等を用意し、セキュリティレベルの高い状態で企業内のネットワークにアクセス環境を準備しておくことが重要となってきます。万が一の大量の集団感染時に備えた体制整備が重要です。
また、ITベンダはこのような利用企業の不安に対して様々なソリューションを提供しています。例えば、安否確認システムや、遠隔でも会議のできるテレビ会議システムなどは代表例でしょう。各ITベンダは、パンデミックをキーワードで様々なセミナーを開催しています。例えば、NECは、「少ない投資でパンデミック対策を乗り切る方法」を9月4日に開催しています。
特に自宅で業務が遂行できるテレワークのあり方については、重要視されていくことでしょう。総務省や厚生労働省も後押しし、9月1日に「テレワーク試行・体験プロジェクト参加者募集」の案内をし、テレワークを試行・体験する希望者を募集しています。総務省において、安心・安全で簡易にテレワークが導入できるシステムを用意すると表記されており、セキュリティ強度の高い環境下でテレワークが利用できるでしょう。
大企業の部門が集団感染によって業務が滞るのはもちろんですが、中堅中小企業においても打撃は大きいでしょう。数十人の企業で感染が広がることになれば、企業の存続問題まで影響することも十分に考えられます。
これからピークを迎える新型インフルエンザの感染に備え、手洗いやマスク着用などの身近な対策やインシデントレスポンスの策定等に加え、ITの活用のあり方について最終見直しをする時期にきているといえるでしょう。