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iPhoneの販売価格は日本の携帯市場を復活させる!?

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ソフトバンクモバイルは、7月11日に発売するiPhone(アイフォーン)の販売価格と料金プランを明らかにしました。販売価格は、8GBモデルが2万3040円、月額プランが、ホワイトプラン基本使用料(980円)、パケット定額フル定額料(5985円)、S!ベーシックパック基本料を足して7280円となっています(関連記事)。

まず、iPhoneの販売価格は、日本の携帯メーカにとっては脅威です。NTTドコモ等は5万円前後で販売しているのですが、どうなるのでしょうか? NTTドコモは6月23日、山田新社長による記者会見の発表の中で、「価格を引き下げたい」というコメントを述べられています。7月11日からのiPhoneの販売状況などから具体的な対抗策を打ち出してくるのではないかと推測されます。

しかし、GPSやワンセグを搭載した端末はそれなりに開発コストがかかっています。そして、日本の携帯メーカはすべて足しても世界市場の1割にも満たない状況ですので、世界市場に展開しているiPhoneと比べ、冷静に考えると端末価格で勝負することは非常に厳しいのではないかと考えています。そして、iPhoneは携帯網ではなく、インターネットにアクセスするため携帯事業者には収入が入ってきません。

以前、ブロードバンドの普及期において、Yahoo!BBのADSLモデルの無料配布が、NTT等にも競争意識を促し、一気に日本のブロードバンド市場を急成長させました。日本は今や世界最高水準のブロードバンド大国になっています。

今回、iPhoneの上陸により、同様にNTTドコモ等の携帯キャリアや端末メーカが対抗策を打ち出してくるでしょう。市場を刺激することによって、モバイル・ブロードバンド市場が一気にブレークする可能性があります。ガラパゴス現象とか揶揄される日本の携帯市場、メーカの淘汰など多少の痛みは伴うかもしれませんが、再び世界市場と戦う機会が与えられていると考えることもできるでしょう。

3.9G、そして4Gとまだまだ日本の携帯事業者と携帯メーカは、敗者復活戦の機会が与えられています。iPhoneの上陸は、非常に良いタイミングで日本市場に刺激を与え、再浮上のきっかけを与えていると考えると、これからの日本の携帯市場はおもしろくなると考えることができるのかもしれません。


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