「ジョブズの悪いところだけ真似してる」と批判されたiPodの父、どうなってるの?
先日、GoogleがAmazon Echoのまねっこ端末を準備中という記事を書いたとき、ネタ元のThe Informationの記事を読んでたら、iPodの父でNestのCEOであるトニー・ファデルがずいぶんとヒドイ人みたいなことになっていてびっくり。
そういえば、Googleが鳴り物入りでNestを買収してから2年以上経ちますが、目立つ動きが全然ありません。せっかくIoTの先端にいたはずの同社が、どうしたんでしょう。(右の画像は買収された当時のファデルさんとGoogleのサーゲイ・ブリン。2人は仲良しだそうです。)
2014年にDropcamを買収したときは、これでサーモスタットだけじゃなくてホームセキュリティこみの本格的なスマートホームラインアップを拡大していくんだろうなと思ったのに、Dropcamの名前を変えて販売を続けるくらいで発展しません。
The Informationの記事は、ファデルさんがいかに独裁者的なマネジメントをしているかを示すエピソードがてんこ盛りです。本人へのインタビューも含まれています。
ファデルさん、Informationのインタビューを受けている段階で、Dropcamの買収時にいた約100人の従業員のほぼ半分は既にNestを去ったことを認め、「多くの(Dropcamの)従業員は期待したほど優秀ではなかった。残念なことに、あまり経験豊かなチームではなかった」等と言ってます。
まるで、うまくいかないのはあいつらのせい、と言ってるようです。
仮にそうだとしても、スーパーボスだったらそんなこと言わんだろう、とちょっとがっかり。
他にもDropcamの創業者で昨年Googleを辞めて今新たな事業を興そうとしているグレッグ・ダフィさんとぶつかった話も出ています。これもひどい物言い。
この記事が出たあと、そのダフィさんが静かな怒りのこもった反論をMediumに投稿しました。
ダフィさんによると、社員の半数がNestを去ったのは、素晴らしい製品を創る能力を完全に破壊されたと感じたからだそうです。
どのように破壊されたのかは書いていませんが、「おまえら無能」と見下されていてはやる気も失せそうです。
さらに、Alphabetが内訳を公開していないGoogle以外の売上高の、Nest分のほとんどはDropcamのものだと告発。
ファデルさんのマネジメントについて「メンター(複数になってますが主にスティーブ・ジョブズのことと思われ)の一番どうでもいいネガティブな特徴だけをやみくもに崇拝している」と痛烈に批判しています。
ダフィさんはブログの最後に、Dropcamから羽ばたいた複数のプロジェクトへのリンクを文中に埋め込んで、Dropcamがファデルが言うような使えないチームではなかったことを示唆しています。そうかー、Oculusにも、LilyにもDropcam出身者が。これは説得力あります。
それにしても、Nestといい、Boston Dynamicsといい、ここのところGoogleが大きな買い物をうまく生かせないことが目につきます。AlphaGoで有名になったDeepMindやWazeなどの成功例もありますが。