マイルス・デイビスがスーパーボス? 読んで納得(新刊ご紹介)
下の画像は、1981年に来日したマイルス・デイヴィスの新宿でのライブ動画の1シーンです(こちらの動画より)。
当時のマイルスは既に「帝王」と呼ばれていて(長い沈黙の後だったこともあり)、雲の上の存在。ジャズをかじり始めていた十代後半の私はこのライブをテレビで見て衝撃を受けておりました。
何が衝撃だったかって、マイルスがソロを弾くメンバーの正面に立ってじーっとしているのが怖いのなんの。あのギョロッとした目でじーっと見つめるんですよ。
それでも、マイク・スターンもビル・エヴァンスも、ビビらずにかっこいいメロディーを繰り出すのです。肝が据わってるなぁと思いました。
4月2日発売予定の「スーパーボス」で紹介されている18人の中にマイルスの名前を見つけて、あの映像を思い出しました。
スーパーボスとは、「突出した人を見つけて育てる最強指導者」だと、この本のカバーには書いてあります。
マイルスは、自分のバンドに一流のアーティストを集め、それぞれからすごい瞬間を引き出していました。で、本書によると、マイク・スターンはマイルスから多くを学んだと語っているけれど、マイルスも若い彼らから多くを吸収したと言っています。
そうか、観客に背中を向けてソロをじーっと見ていたのは、監視していたんじゃなくて吸収していたのかー。
本書には、マイルスの他におなじみのOracleのラリー・エリソンやLucas Filmのジョージ・ルーカス、ラルフ・ローレンなど、一見ばらばらなタイプの「スーパーボス」が登場します。
リーダーシップ論の権威である著者のシドニー・フィンケルシュタインが、10年かけて集めて分析したスーパーボスの特徴と共通点を、具体的なエピソードをちりばめて紹介しています。
会社勤めが苦手でフリーになった、社員としてだめだめな私としては、ただただ感心しながら読むばかりでしたが、人を引っ張る立場にある人はスーパーボスの手法をまねっこするために、若くて成長したい人はスーパーボスの見分け方を習得するために、読んでみるといいと思います。
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