町の商店主とのギャップに気付き始めたSquare
日本でもユニクロなどが採用したモバイル決済のSquareですが、その後いまひとつぱっとせず、一時期は身売りのうわさも。
そんな崖っぷちのSquareをFast Companyが取材して読み応えのある記事にしています。
Fast Companyの記事が掲載された同じ日に、Squareは新サービスとして美容院や歯医者さんが導入すると便利そうな予約システム「Sqauare Appointments」を発表しました。
Squareは当初からモバイル決済システムをこうした小規模なショップやレストラン向けに提供してきたので、その延長としてそういうお店が必要としそうなサービスを追加してみたって感じです。
5人規模のお店なら月額50ドル(約5000円)で、お客様がアプリを使って24時間いつでもアポイントを入れられる、クラウドベースのシステムです。
忙しくて電話に出られずにお得意様の不興を買ったり、ダブルブッキングしてしまう心配もなく、お客様への予約のリマインダー機能までついて、結構便利そうです。
でも。実際に自分がいつも行っている町の美容院を思い浮かべると、このシステムで予約できそうなお客様はたぶん半分くらい。スマートフォンを持っていない(もちろんPCも)一人暮らしのおばあちゃまとかが結構来てるので。
店長だって一応タブレットを使ったり、お店の若い子の勧めでMacを導入したりはしていますが、Googleマイビジネスもご存じない。Googleのサービスなんて無料だしすごく便利なのに、届けたいそういう町のお店の人たちは存在すら知らない。
まして有料のSquareのサービスを知って、使ってもらうためにはどうしたらいいのか。気の遠くなるような話です。
でも、Fast Companyの記事で明るい兆しだなと思ったのは、ジャック・ドーシーCEOが自らサポートに寄せられる質問をチェックしていて、いかに一般の店主さんたちが自分たちオタクと違うかを理解しはじめたらしいこと。今ごろ、とも思いますが、このギャップをなんとかできたら、Squareにはまだ勝機が残ってるかも。
「Squareの5000年計画」を熱く語って周囲を戸惑わせているらしいドーシーが、ジョブズに憧れるただの夢想家なのか、(Twitter以外に)もう一旗揚げる器なのか、ここ数カ月が正念場のようです(Squareで失敗してもまた次がありますけど)。
ところでドーシーくん近影、ひげもじゃになってます。自分のスタイルを持つことを重視する人ですんで、思うところがあるのでしょうが、シャツは相変わらずボタンダウンのぴったりしたシャツなので、記事を書いたオースティン・カーは「なんかヒップスターファーマー(都会に住んでいて庭とかで農業のまね事をする人)みたい」と評してます。