Microsoftの“機能別”組織改編は順当だとは思うけれど
PCとタブレットの境界も、コンシューマーとエンタープライズの境界も、あいまいになってきている昨今、今日Microsoftが発表した組織改編は順当な話ではあります。
製品別じゃなくて、OS、ハードウェア、アプリケーション、クラウドの4つのエンジニアリング部門に分けて、これまで各製品部門ごとに持ってた財務やマーケティングをそれぞれの独立した部門にしました。
Windows 8とWindows Phone 8は開発環境も共通だし見た目も似てるから、OS部門でまとめた方が都合がよさそう。XboxのKinectをWindows PCで使えるようにしたりしてるので、ハードウェアは1つにまとめた方が話が通りやすそう。Windows Phone端末とXboxの連携とかもさせてるし。
バルマーさんは少し前から「Microsoftはデバイス&サービスの会社になる」と言ってますし。
今日の発表でも、「デバイス&サービスのファミリーを提供していく」と言ってました。SurfaceとXbox以外にも、自社製ハードウェアを出していくとはっきり宣言したと受け取ってよさそうです。
その目的のために、この組織改編は向いています。でもなぁ。素人が心配してもしょうがないんだけど、ちょっと心配。
心配のその1は、ハードウェア部門のリーダーがジュリー・ラーソン-グリーンさんという、これまでソフトウェアの開発をまとめてきた人であること。この方は、Officeに「リボン」の概念をもたらしたり、エキセントリックそうなシノフスキーさん(昨年11月に退社)の下でしっかりチームをまとめてきたすごい人ではありますが、経歴を見るかぎりハードウェアの経験はありません。
ほんとは、ハードウェア部門のリーダーはドン・マトリックさんになるはずだったといううわさもあります。彼ならゲーム機だけど、ハードウェアをやってたし、適任です。でも、ZyngaのCEOというチャレンジの誘惑が勝ったようです(既に大金持ちなので、やりがいのある仕事を選んだんでしょう)。
心配その2は、マーケティング部門の2頭体制。タミ・レラーさんはともかく、マーク・ペンさんは、悪名高きGoogleディスり広告の元締め。不敵な面構えのこの人は、クリントン大統領のキャンペーンを担当したやりてで無愛想さで有名だそうです。アクも強そう。。。
心配その3は、開発者窓口や企業買収担当のリーダー、トニー・ベイツ氏。Skype買収でMicrosoft入りした彼は英国人なので米国の開発者文化でうまくやっていけるのかなとか思って。でも、努力の人っぽいし、Ciscoで企業買収と統合のスキルは積んでいるみたいなので、適任なのかも。
なーんて、ゴシップ的で興味本位な心配をしてみました。
最後のおまけとして、主要人事一覧画像を貼っておきます(赤字が新たなポジション。クリックすると拡大します)。