Facebookは「有料投稿を優先させるために操作してなんていない」と言うけれど
New York Timesのニック・ビルトンさんが3月3日に公開した記事がきっかけになって、Facebookのニュースフィードについての議論がここのところ活発になっています。
ビルトンさんの話をおおざっぱにまとめると、Facebookの「フォローする(スタート当時は「フィードを購読」だった)」が始まってすぐにいっぱいフォロワーがついて、投稿するたびにたくさん「いいね!」がついてたのに、Facebookが有料投稿を始めた途端に「いいね!」が減って、試しに有料投稿してみたらたくさん「いいね!」がついた。なんだか騙されたような気分だよ、というものです。
これについては、「私の投稿も同じようなことになったよ」というジャーナリストもいれば、「有料投稿以外にもいいね!が減った理由は考えられるよ」という人もいました。
TechCrunchのジョシュ・コンスティンさんの「Facebookはこれまでだって自分で見せたい機能をプロモートするためにニュースフィードで表示する投稿の優先順を変えてきた。Facebookをツールとして使うのはいいけど、“贈り物の馬(馬をもらったらあら探しなんかしないでありがたく、あまり期待しないで使わせてもらえ、ということわざ)”なんだから全面的に頼らない方がいいよ」という記事には説得力があります(日本語記事がもう出ていました)。
で、今日になってFacebookも正式に(名指しにはしていませんが)「ニュースフィードのアルゴリズムが有料投稿を優先的に表示するためにオーガニックな投稿を抑制していて、Facebookは収益を上げようとしているというクレームがありましたが、それは正しくない」という発表をしました。
いわく、ニュースフィードのアルゴリズムはすご~く複雑なので、アルゴリズムを変更したタイミングで「いいね!」が減ったり増えたりすることはあるけど、ユーザーのアクティビティをちゃんと反映させて、関連性が高いと判断したものを表示してるだけだからね、と。
「フォローする」の立ち上げ時は、Facebookとしてもこの機能を普及させるためにユーザーのニュースフィードに(ビルトンさんを含む)有名ジャーナリストの購読を勧める告知を積極的に出したので、たくさんフォロワーがついただろうけど、そのフォロワーの何%かはだんだん読まなくなっただろうし、昨年秋にアルゴリズムを変更して「高品質の投稿を優先するようにした」影響もあるんじゃないの、と。
でもー。じゃあ、有料投稿を優先的に表示しなかったら有料の意味がないと思うですよ。で、有料投稿を優先的に表示しようとしたら、当然オーガニックな投稿が読まれる率は低くなりますよね。
私がフォローしたり友達になったりしている人は有料投稿をしないらしく、多分ほぼオーガニックなニュースフィードになっていると思うんですが、たくさん商用ページをフォローしている人のフィードは有料投稿で埋め尽くされていてもおかしくないと思う。でもそれはその人が選んだ道なわけで、Facebookが悪いわけじゃない。
そういえば私のFacebookページ(もちろん有料投稿をしたことはないです)についても先日、「最近ぼくのニュースフィードに表示されないよ」とファンになっていただいている方が言ってました。オーガニックなリーチは平均2000~5000くらいなんですけど。
営利企業なんだからお金を払う人を大事にするのは当然ですが、ユーザーが見たいものが見えなくなったときに、自分で見えるように調整できる手段は与えてほしいなと思います(友達の投稿の表示量を調整する機能はありますが、ページについてはなかったと思います)。
Facebookは3月7日にニュースフィード関連の発表をするそうなんですが、多分ちゃんとお金を落とすお客様に有利な内容なんだろうなぁ。資本主義の世の中だから当然ですよねー。