Acerの突然のアリババ端末発表中止についてのGoogleのオトナの言い訳
Acerが9月13日、新スマートフォンの発表をするはずの会場で「事情により発表できなくなりました」と発表したことで、先週末ちょっとした騒ぎになりました(はるばる取材に来た記者はそりゃ怒ります)。15日になってやっとGoogleが公式にコメントしたので、さきほど記事にしました。
アリババが公式ブログ(今は削除されています)で「AcerがアリババのAliyun OS搭載端末を発表するなら、Androidを使うライセンスをキャンセルするとGoogleが脅したからだ」と書いたことが火に油を注ぎました。アリババはメディアの取材にもそう答えています。
でも、ちょっと違います(だから公式ブログから削除したんだと思います)。
Googleの言い分は、おおまかには(記事にはもうちょっと詳しく書きました)「Acerが“非互換Android”であるアリババのOSを搭載するスマートフォンを発売するとしたら、それはAndroidエコシステムにとってよくないこと。だから、もしそうするならOpen Handset Alliance(OHA)から出てってね」ということです。アリババ端末を出すな、ではなく、出してもいいけど、それならAndroid開発でいろいろ恩恵受けられなくなりますよ、いいんですね、と言ったんです。脅しではありますが、一応筋は通っています。
Androidがオープンソースだけど完全に自由ではないとこがコトを面倒にしてます。
Androidはオープンソースです。だから、アリババがAndroidランタイムを使ってAliyun OSを構築しても何の問題もないです。
でも、OHAに参加するのであれば、勝手なことはできません(なので、リチャード・ストールマン様などはAndroidはオープンソースソフトウェアとは言えないのでは、とおっしゃっています)。
例えばAmazonはOHAに入っていないので、Kindle FireはAndroid端末ですが、自由です。OSをアップデートしなくていいし、Google Playとは別の独自アプリストアを持っているので「互換性がない」とかうるさく言われることもない。
Acerも、OHAから抜けてしまえば好きなだけアリババOSのスマートフォンを販売できるはずです。中国市場は大きいので、いっそそうしてみたらどうだろうと、無責任な私は思うくらいです。Aliyun OSがもしかしたら今後、中国だけでなく、低価格端末市場を席捲するかもしれないし。
Googleの本音は、それが怖い、ということだと思います。
オトナの世界では本音を言えないので、誰もが「違うだろー」と思っても形の上では筋の通った言い訳をしなくちゃならないんですね。
でも、筋は通っているかもしれませんが、まずはAndroid自体のばりばりな非互換性をなんとかしないと、「その口で何を言う~」と言われちゃいます。
[佐藤からコドモの言い訳]このブログで半端なことを書くと、「メディアとしてそんなことを書いていいと思っておるのか」というおしかりをいただくことがあるのですが、この場はアイティメディアとしての公式見解を書くところではありません。佐藤個人がぼーっと考えたことですので、「ばかだなぁ」と思っていただくのはいいのですが、アイティメディアはけしからん、と思わないでくださいませ。