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Twitterがなるはずだった姿(ソーシャルプラットフォーム)を目指すApp.net

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年をとるとつい昔話が多くなっていけませんが、Twitterが若かったころはサードパーティーが便利なアプリを次々と出してくれて楽しかったもんですな。それがなんだかおかしくなってきて、便利なアプリはTwitterが買収したり純正機能にしちゃったり。最近ではこれまでとAPIの提供方法を変えるだなんてことになって。

でも、これはTwitterが広告で食べていこうと決めた段階で運命づけられていたことだったのでした。少しでも広告を増やしたければ、サードパーティーにユーザーをとられていては無駄が多すぎます。最初から、広告モデルとオープンなプラットフォームという立場は両立させるのがとても難しいものだったのですね。

そんなわけで、この部ログにも以前登場してくれたダルトン・コールドウェルさんがTwitterと同じ轍を踏まないソーシャルサービスとして「App.net」をα公開しました。

Appnet

見ての通り、Twitterにくりそつです。大きな違いはメッセージの文字数制限が140字じゃなくて、256字なところ。でも、本当の違いはこれが有料サービスになるということ。現在はKicksarterみたいに最低50ドル投資するとαアカウントがもらえるという段階ですが、正式公開では全ユーザーから利用料を徴収する予定です。

Twitterの広告にうんざりしているユーザーにとっては検討する価値ありですが、何よりこれならサードパーティーは安心してアプリを作れます(急にAPIのはしごをはずされたりする心配がないから)。

【補足】「有料だからってサードパーティーが安心してアプリを作れると決めつけるのは論理に飛躍がある」というご指摘をいただきました。はい、論理には飛躍がありますが、コールドウェルさんが自分のブログで「広告ではなく、ユーザーと開発者第一に考える」と言っているのでそれを信じたのです(ここではいろいろはしょっていてすみませんが詳しくはブログをどうぞ)。

発表当時は「こんなのうまくいくわけないじゃん」という意見が多かったのですが、蓋を開けてみれば資金はあっという間に集まるし、既にサードパーティーがごりごりアプリを開発しています。

imeemで辛酸を舐め(買収された挙句にだめにされた)、Facebookに脅されたコールドウェルさん。開発者の楽園作りに成功してくれるといいな。
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