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音楽業界に「うん」と言わせられるのはジョブズだけなのかな

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年寄りの昔話になりますが、2003年にiTunes Storeがオープンしたときには感動しました。当時ナップスターの関連書を編集していて音楽業界の独特の体質については少しかじっていたので、音楽レーベルがネット業界と話し合うことなんて考えられなかったんです。

そこを1社ずつ切り崩していったジョブズはすごかったと思います。

そして、今度はクラウドベースの音楽サービス。

先行するアマゾンは「ユーザーが買った音楽の置き場所提供だからライセンスはいらないんだもん」ということにして「Amazon Cloud Drive」を見切り発車。Googleも同じようなサービス「Music Beta by Google」をβ版で始めましたが、こちらもライセンスは取っていません。

でも、AppleはWarner Music、EMI Music、Sony Musicの3大レーベルを攻略したようです。まだ音楽パブリッシャー(BMIとかASCAPとか)との交渉が残っていますが、WWDCに向けてジョブズがごりごりしているんではないでしょうか。

痩せても目をぎらぎらさせたジョブズに正面から切り込まれたら、さすがのパブリッシャーもうんと言ってしまうかも。

もうひとつ重要なのは、ジョブズは音楽を愛しているというところ。ビートルズ獲得で見せた根性は半端じゃありませんでした。最終的にはそういう思い入れの強さみたいなことが利いてくると思うですよ。

Appleがトップを送り込んで(というか、自ら乗り込んで)いるからには、アマゾンとGoogleもトップが交渉に立たないわけにはいかないと思いますが、ベゾスもシュミットもあんまり音楽好きには見えません(偏見?)。

ベゾスのウィッシュリストなんて、ほら、全く音楽の気配がありません。シュミットについてはウラをとれませんでしたが、no music no lifeっぽくないですよね(やっぱし、ただの偏見?)。

いずれにしても日本では当分クラウド音楽サービスは享受できないと思いますが、またジョブズが奇跡を起こすのを見たいです。

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