相手によってメディアを使い分けるベゾスCEO
先週の日本での3連休中の話ですが、Kindle用にオーウェルの「1984」と「動物農場」の電子版を買った顧客のKindleから忽然とこの2冊のデータが消えるという事件がありました(デビッド・ポーグさんの記事が面白いです)。はしょって言うと、出版元の意向で電子化はやめることになったから削除、ということだったのですが、まるで書店で買った本を夜中に店員がそーっと家宅侵入してお代だけ置いて持ち去ったようなやり方だと批判をあびていました。
プレスリリースとかで公式に釈明したら記事にしようと思っていたのですが、今日ベゾスCEOが、AmazonのKindleコミュニティーにひっそり「もうしません、ごめんなさい」という短い投稿をしていました。わ。これでおしまいか。
かと思うと、Zappos.com買収の際には、Zapposの社員向けにYouTubeに8分ものビデオレターを掲載しました。Zapposは顧客とのコミュニケーションが上手な会社で、ブログなどを見ると社員も生き生きと仕事をしている感じです。Amazonとしてはこうした企業文化を吸収したいというのが買収の1つの目的のようで、ベゾスはこのビデオでZapposの社員に「一緒にやっていこうねっ」と呼び掛けています。
そういえばKindle発売以降のAmazonの決算発表でいつも不思議なのは、絶対にKindleの販売台数を公表しないことです。これも何か意図があってのことなんでしょうけど。
うまくいっているかどうかは私にはよく分かりませんが、ベゾスは意識的にメディアを使い分けてる感じがします。
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