オルタナティブ・ブログ > 海外速報部ログ >

海外記事、ブログ、記事にならない情報について、ITmedia エンタープライズ海外記事担当から一言

物議を醸す「ホワイトボックスMac」の行方は?

»

 米国のPsystarという企業が安価なMacクローンを発売して議論を呼んでいます。

 問題のマシンは「Open Computer」という名前(最初は「OpenMac」でしたがその後改称)のシンプルなタワー型ホワイトボックスPC。IntelのCore 2 Duo搭載で、プリインストールOSをWindows XP、Vista、Ubuntu、Mac OS X 10.5から選べるようになっています(OSなしも選択可)。Mac OS Xを選んだときの価格は800ドル程度で、本家の製品と比べると安くなっています。

 しかし、AppleのEULA(エンドユーザーライセンス契約)では他社製ハードへのMac OS Xのインストールを禁じており、PsystarはEULAに違反しているのではと指摘する声も上がっています。Psystarの代表者はInformationWeekの取材に対し「違法ではない」「MicrosoftがDellのマシンにしかWindowsをインストールしてはいけないと言ったらどうなる?」「ホンダの車を買った後に、その車でホンダが決めた道しか走ってはいけないと言われたらどうする?」となかなか挑発的な発言をしています。PsystarにMacクローンを販売する権利があるかどうか、裁判で白黒つけてもいいといったことをほのめかす発言もあったとか。

 一方Wired Newsの記事は「AppleがPsystarにMacクローン販売をやめさせるのは難しいかもしれない」という法律専門家のコメントを掲載しています。「契約(EULA)違反は最も弱い形の法的紛争の1つ」であり、訴訟を起こした場合、原告の救済策が契約の対象となる製品やサービスの金額に限定されるとのことです。「Appleが損害賠償を主張するとしても、LeopardのOEM価格が上限になる」とか。またこの専門家は、AppleのハードはPCとほとんど同じパーツを使っているため、Macクローン販売をやめさせるのは難しいだろうとも話しています。

 Appleは今のところコメントを出していないようですが、同社がどんな対応をするのか気になります。

 以上、広瀬でした。

Comment(0)