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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

そんな開発やって楽しいですか? - 現代の匠を創出する - その2

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昨日に続き、匠BusinessPlace 代表取締役社長の萩本順三さんのお話です。ITの選択肢が広がった現在、要求も広くなっている。それなのに、エンジニアは、従来からのビジネス慣習に囚われているといいます。今日は、その後編です。

記事全文は、エンバカデロのブログにも掲載しました。

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ソフトウェア開発は絵画に似ている

萩本さんは、ソフトウェア開発は、絵画に似ているといいます。絵画も工学的要素と芸術的要素が絡み合っています。忠実に再現するデッサン力に、芸術性が加わることで、絵画は価値を持ちます。ソフトウェアも、部品は再利用できたり、エンジニアも要件に忠実に実装する力はあります。でも、眠っている価値を掘り起こしていく力が弱い。これを鍛える必要があるといいます。

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画家も、芸術家としてではなく、対象をキャンバスの上に忠実に再現する職人として見られていた時代もあります。ソフトウェアエンジニアも、要件を忠実に実装する技術者から、ITを道具としてビジネスにどのような価値をもたらすのかを示す匠の時代へと変化しつつあるのだと感じました。

ソフトウェアエンジニアは二極化する!

萩本さんに今後のソフトウェアエンジニアの姿をうかがいました。

「これからはもっと二極化するでしょう。」

フレームワークや要素技術的なところで、より専門性を発揮していくエンジニアはいるでしょう。でも、お客様のシステムを構築するエンジニアは、もっとビジネスに近くなっていくといいます。

そうすると、ソフトウェアエンジニアも、お客様のビジネスを理解するための聞く力、そして、自分たちの提案の価値を理解してもらうための語る力が、より一層求められますね。

「その通りですね。アーキテクトは説明責任を負っています。アーキテクチャの価値を、役員の人に説明するやり方、業務やっている人に説明するやり方、同僚に説明するやり方は違っているはずです。」

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ソフトウェアエンジニアは、どうしてもPCに向かって黙々と仕事をしがちです。言葉によるコミュニケーションよりも文字によるコミュニケーションを好む傾向もあります。でも、「コードがすべてを語る」で済ましてしまうのではなく、生の声でその価値を伝える努力が欠かせないのですね。

「その人や、その人が話している内容が魅力的だと思われない限り、そのソフトウェアは採用されないでしょう?」

価値に目覚めると、人は目の輝きが変わるそうです。「それが大好きで、お客様の目の輝きが変わった時にやりがいを感じるんですよ」。

そう語る萩本さんの目も輝いていました。

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