オルタナティブ・ブログ > Allegro Barbaro >

開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

Delphiが24周年ということで、Delphiとの出会いについてまとめてみた

»

今日2月14日は、Delphiの誕生日とのことだ。今年で24歳となるDelphiは、歴史ある言語で「クラサバ」時代の古い技術のように思われがちだが、実際のところはモバイル開発やクラウド、IoTなどもサポートし日々進化している。それらの新技術はどのようにサポートしているのか、といえば、同じような「ドラッグ&ドロップ」のビジュアル開発で、一見新味がないようにも思える。しかし、同じ手法で新しい技術に対応しているというのは、ある意味独自のポジションを維持していると考えられる。

今回、Delphiの誕生日に合わせて、「私とDelphi」的なお題をもらったので、少しまとめてみることにした。

自分とDelphiの出会いは、まぎれもなくボーランドに入社したタイミングだ。元々CやらC++のプログラミングを石油業界という異業種で行っていての転職で、最初に配属されたサポート部門で、ちょうどバージョン2が出たばかりのDelphiの企業向けサポートを任された。

当時ボーランドといえばTurbo CとかBorland C++という印象で、Delphiはまったくノーマークだった。せいぜい、CMagazineの付録にトライアル版が付いていたなぁ、ぐらいの薄いイメージ。転職初日、さっそく笹塚駅の書店(たしか紀伊国屋書店、まだ笹塚にあったマイクロソフトのオフィスのそばだった)に駆け込み、入門書を手にした。

ビジュアル開発の便利さは新鮮で、2~3日いじって15パズルのようなものを作ってみた。コンポーネントフレームワークであるVCLの内部をいろいろ調べて、これはWindows APIを高度にカプセル化したものであることを理解した。そして何より、当時の他のフレームワーク(MFCやOWLなど)のように、最初に儀式のようなコーディング(要は基底クラスを継承して云々の作業)が必要ないことに感動を覚えた。

それまで、Unifaceのようなデータベースアプリケーションを構築することを目的とした4GL系のツールを使ったことはあったのだけれど、Delphiのデータベースアプリケーション開発機能は、よりビジュアルでありながら、コーディングで何とでもなる、という点が非常に気に入った。サポートでは、特定の要求を実現する方法を聞かれることが多かったのだけれど、製品の基本機能で実現できないことも、Windows APIを直接呼び出したり、フレームワークのコードを呼び出したりすることで可能になった。簡単なことは超簡単に、難しいことでも急に難易度が上がることなく、その問題に集中して対処できることが魅力と言えよう。

ちなみに、Delphiサポート担当としての最初の試練は、入社1ヶ月ぐらいで訪れた。当時、トレーニングセンター(トレセン)というのがあって、日々外部講師を招いて製品トレーニングを実施していた。ある朝出社すると、トレセンのスタッフが慌てて席にやってきた。「藤井さん、今日Delphiトレーニングの講師をやってもらえませんか?」「え!?」「実は講師の方が急病で」「トレーニングって、いつからですか?」「10時からです」「え、あと30分しかないじゃん」

もちろん断るわけにはいかず、渡されたコースウェアを読み、不安いっぱいで講師席についた。幸いなことに、コースウェアには、ふんだんに実習課題が含まれており、実習をやってもらいながら先を予習するということができた。学んでいる内容そのものは、自分でも学習済みで身についていたことだから、説明はすんなりできた。そして昼休みで完全にリカバーし、なんとか1日を乗り切った。

その後、仕事としてはDelphiを離れ、エンタープライズ系の製品に多く関わってきたが、現在のエンバカデロの体制になることにより、再びDelphiと関わることになり、書籍を2冊翻訳するなどしてきた。

Delphiもその中でマルチデバイス対応したり、クラウド時代に対応したりと進化を続けている。ずっと以前からDelphiを活用し、革新的な製品を提供し続けているフォーラムエイトさんやTKCさんが元気なのもうれしい限りだ。

Delphiは、こうしたパッケージアプリケーションの構築や公共系システムの構築で採用されているケースが多い。あるいは、情報システム部門が部門内の小規模なシステムを内製で開発しているケースでの採用も多い。実際のところ、大規模な開発チームによる伝統的な開発プロジェクトというのは多くない。公共系の場合、プロジェクト自身が非公開であることが多く、あまり知られていないけれどずっと使われています、的な印象があるのも事実だ。

ひとつの開発技術によってすべてのソフトウェア開発の需要を満たすようなスタイルではなくなった現在、適材適所でDelphiの良さが見いだされてもらえればうれしい限りだ。

ilovedelphi-400px.png

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する