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欧州の研究開発

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最近、ヨーロッパの研究開発に関する施策を少々、調べてみました。誤解があるかもしれませんが、以下のような感じでしょうか.

公的投資の主体はやはり欧州委員会(The Europe Commission)。もちろん、委員会やその執行組織的な性格を持つ総局(Directrorerate General)が直接、議論する訳ではなく、学者(多分碩学と呼ばれる人たちだと思う)により組織されるEARMAという組織が、Europe Research Area(ERA)とよばれる重点研究対象領域を設定する。ERAの企画実施の実体とも言えるのがEuropean Technology Platformと呼ばれる協議体で、企業, 学者,EC総局、場合によっては消費者から構成されるとされています。そこで、何を行うのべきか? という議論を行い、出資対象プロジェクトの募集要項を決めるという手順をとっているようです。これにより審査採用されるR&Dファンドともプロジェクト群ともいうべきものがFramework Programme(通称FP) と呼ばれるもの。実際、FPのプロジェクトのカタログを見ると、出資者(?)であるEC,ETP, FP-7や6のロゴマークが並んでいます。
上の話は、欧州単位の話、それと連携をとっているのが、ナショナル・プロジェクト。フラウンフォーファーや、CEAのプロジェクトがこれに相当するものと思われます。更に、地域毎のプロジェクトとの連携もあるとのこと。

ここまでは、道具だての話。「欧州の競争力を高め、雇用を産み出すため」というのがまず宣言されています。なぜ、こんなことをやるのか? 税金を使うので域内のために使う。当然ですね。でも、一方で、持続可能な社会を(地球規模で)実現する、ということも謳っています。実際、純粋な欧州企業だけがFP-7のプロジェクトに顔を出しているかというと、NECやRenesasといった名前も顔を出していたりしますので、予算獲得の美辞麗句といった範囲を越えているように思えます(自動車関係のプロジェクでは、欧州系テレコムやIBMの名前がないのが不思議な気がしますが・・・・)。

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