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アカデミックのロジックとビジネスの英知から価値をつくる

今日は7月4日

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お前、モジェーク、て知ってるか?」と突然、聞かれたのは、12年前の今頃だったはずだ。
場所は、ボストンから西へ車で40分くらいのところにあるウェストボローという町。そして、「モジェーク」というのはブラウザのMosaicのこと。当時私は、CORBA処理系とP2P型テクノロジをベースにグループウェアを作ろうとしていた会社に転がっていた。

突然の質問から始まった会話(当然、ほとんど一方的なもの)は、Webの基礎から、いまで言うSOAのグランド・デザイン、32bit仮想マシンとInternetによる機能コンポーネントのデリバリとコンポーネントの連合のための基本的要求へと続いた。彼が、なぜそんな話を始めたかというと、アイデアをまとめるのに無口な聞き役を必要としていた程度の理由だったようだ。つまり、壁にむかって話しているよりはましということだ。一方、私にとっては向こう10年間くらいの方向感を教えてもらったみたいなものだった。「技術の人」ではなく、「技術をマーケティングする人」という立ち位置にいる私としては、SOAまではなんとなく既視感があると思えるのは、あの1日のおかげなのだろう。

その後、2年ほどの間、Internetで何ができるか、Internet技術をどうするべきか、などのアイデアに関しての一回目の大進化(と大絶滅)をマーケティング・サイドの人間として目の当たりにしたが、当時、「明日にも実現する未来」、みたいな気分でいただけに、「やはり10年かかるのかぁ」というのが実感だ。

いま、やりかけている近距離無線のアプリやセンサーネットワークも10年かかるとすれば、先は長いとも言えるし、10年も楽しめるとも言える。できれば後者でありたいものだと思っている。

 

以上、今日はアメリカ合衆国の独立記念日と聞いて、ふと思い出したので。

ウェストボローのアパートで花火のテレビ中継を見ていたのは12年前、その時一緒に飲んでいたのが、今の会社の社長の波多野氏。こちらも10年たって変り映えしないのか、劇的にかわったのか。

次のお題は、やはりZigBeeです。

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