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リスクパニック

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未来の予測を正確には出来ないが、限られた情報からでも、方針を決めるのはトップの仕事だとつくづく思う。新型コロナウィルス対応の件で、社員に私からメッセージを出す頻度が増えた。だが、こうやって社員へのメッセージを振り返ると対策そのものよりも、代表としての思いを伝えていることの方が多い。

*************全体会議の話から*********************
新型コロナウィルスの件ですが、残念なことに長期戦の様相を見せていると個人的には思っています。そして、時間をかけて試行錯誤しながら、風邪やインフルエンザのように、日常生活において対応していく道筋を見つけていくことを願っています。

さて、リスクマネジメントの世界ではリスクパニックという言葉があります。よく見えるリスクを回避しようとすることで、闇雲に行動して、別のリスクをあげてしまうことだそうです。よく指摘される例として、9.11の後の交通事故の増加の件があります。アメリカで航空機の利用が減少し、当然その分自動車交通が増えました。そこから推定される死者数は、9.11で犠牲になった航空機の乗員・乗客の6倍に近いというものです。あることをやめたら、どんなリスクが起こるのか?未来のリスクを正確には検証することはできませんが、様々な観点から考えることは重要です。

リスクパニックを引き起こさないためにも、情報産業に関わる私たちとして、ぜひ気を付けてほしいことが三つあります。

一つ目は、情報のソースを確認し、有識者の判断を尊重した上で、主体的に判断をすることです。
原料となる紙が足りなくなる、というデマからトイレットペーパーやティッシュがお店からなくなりました。マスクと違って消費そのものが格段に増えたわけではないので、そのうちもとに戻るとは思いますが、私たち一人一人が情報を吟味して冷静に判断する習慣を身につけたいものです。

二つ目は、私たちが情報の被害者にも加害者にもならないことに気を付けることです。
トイレットペーパーがなくなる、という誤情報に踊らされたら被害者と言えないこともありませんが、スーパーに詰めかけるという行為でパニックを助長すると加害者である、とも言えます。安易に不確かな情報をSNSで拡散することは絶対に控えてください。

三つ目は、区別はしても差別は絶対にしないこと
感染者や濃厚接触者を隔離するなどの区別はやむをえません。しかし、地域や人種による差別は絶対に慎んでください。世情が不安定な時に著しい差別を行った悲しい歴史が日本にもあり、決してそれを繰り返してはいけません。

感染予防の対策については別途全体MLで流した通りです。適宜、出来ることには対応していきます。皆さんもご相談したいことがありましたら、遠慮なく、上長や管理部や私にまでお願いします。***********************************************************

オリンピックの開催一つをとっても、数日で判断が急激に変わっている。政府の判断や感染の状況をウォッチしながら対策は柔軟に変更しているが、ここ2か月の私の社員へのメッセージは同じである。会社のカルチャーはこういうことからも形成されていくのだと感じる。

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