子供を通して世界を広げる:日本女子プロ将棋協会による悔しさ丸出しの「ほのぼの」将棋大会
幼い子供が興味を示すものには親は否応なしに巻き込まれる。
親も人間、巻き込まれて嬉しいものと嬉しくないものがある。
嬉しくないものの代表が、妖怪ウォッチ。(現代版ドラえもんのようなものだ)
経営者としてはその素晴らしきビジネスモデルは見習うべきだが、親としては辟易してしまう。
巻き込まれて嬉しいものは、「将棋」である。
保育園で将棋ブームが起こり、息子が熱中した。ところが、小学校にあがったとたん、クラスメートは誰もしない。(ローカルな流行だった)
私は将棋を全くささないのだが、NHK囲碁と将棋番組観戦歴は10年以上。棋士の名前や、将棋用語はよく知っている。(全く理解できないものを楽しく見ることが出来るのは私の特技である。ちなみに私の座右の銘は着眼大局着手小局と囲碁からちゃっかりいただいている)おまけに今、一番気にいっている漫画は、羽海野チカの「3月のライオン」。高校生棋士のストーリーである。
そこで、日本女子プロ将棋協会による「ほのぼの」将棋大会に先日参加してみた。
保育園で一番強かった息子は、うきうき。「僕、優勝するかなぁ?」
いくら5級以下の初級者限定の将棋大会とは言え、将棋を習ったことがない人が勝てるほど甘くはないだろう。「まっ、負けるのもいい経験さ!」と思って、いざ出陣。
20人ほどの参加者同士が対戦し、総獲得ポイントで(勝ち3ポイント、負け1ポイント)により賞品がもらえる。
1局目は、大人の男性とマッチングされた。
初級者は将棋を指すとすぐ実力値がわかる。手筋の話ではなく、駒の扱いかたの話だ。
将棋を指し慣れている人は手つきが美しいのだ。
あっ、こりゃ、あっさり負けるな、と予想した通り、すんなり負けた・・・いや、正しくはすんなり負けられなかった。
息子は大変勝ち気である。私相手に将棋で負けそうになるものなら、「2回続けて指していよいルール」などを生み出し、絶対に負けを回避する。
しかし、流石に今回はそうはいかない。負けることがわかった息子は今にも泣きそうな顔をして何もしない。相手は困りはててじっと待つ。
そうだ、投了の仕方を教えていなかったと思い、「負けましたって言うんだよ。」と教えたが、「えっ、どうしたらいいの?」と聞こえないふりをして負けを認めない。
最後は某女子プロに、「口に出していうのが嫌なら、こうやって頭下げて」と無理やり頭を下げさせられて終了(苦笑)
あぁ、これで帰るっていうかもなぁ、困ったなぁと思っていたら・・・
イベントにいらっしゃったおじ(い)様たちの気遣いが素晴らしい。
「僕、強いねぇ。じゃあ、おじさんとやろうか」と言って、息子と対局して下さる。そして「へぇ、きみ四間飛車知ってるの?(それしか知りません)すごいねぇ)」と言いながら、負けて下さる。
これで気をよくした息子は次の対戦相手に。
今度は守り方の陣形も知らない小学校2年生の女の子。
すんなり勝った。
今度は目の前の女の子がふてくされたような顔。
子供は正直だ。
勝てば喜び、負ければ悔しがる。
初級者ばかりだが、「ほのぼの」とは全く無縁の殺伐とした雰囲気だ(笑)
勝負の世界は、初級者にだって、厳しいね。
結果、3勝3敗。そしてまさかの準優勝。
というのも、息子はとにかく指すのが早いのだ。
負けるのもあっという間、勝つのもあっという間。
隣では棋力が拮抗する2人が指していたのだが、彼らが1局終わるうちに
3局も指していた。結果、一番対局数が多く、総ポイント制のため準優勝。
表彰式では、息子があっという間に負けた2人と並ぶことになり、どう考えても棋力は全然違うので(笑)、不思議な気分。
しかし、息子はそんなことは全然気にならず大喜び。
イベントではバトルロイヤル風間さんが棋士とのツーショット似顔絵を描いてくださる。
早速、糸谷新竜王と息子のツーショットを、と思ったのだが、息子は糸谷新竜王を知らない(涙)羽生四冠とのツーショットとなった。
と、ここまでブログを書いて思ったが、私って将棋を指さない割には将棋に詳しいね(笑)母親としては、息子には将棋より、囲碁を指してほしかったんだけど。