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山登りと経営:似ているようで違うリスク管理と引き返す勇気

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ゴールデンウィークに山岳事故が北アルプスで発生し、命を落とされた方が何人もいた。
悲惨な結末を知った上で、平地に入る読者としてマスメディアの記事を読めば、「冬山装備をしていないなんてあまりにリスク軽視」「どうして引き返さなかったのか」と言えるが、当事者としてこの判断をするのは簡単ではない。(難しいからと言って放棄していいわけではむろんないのだが)

同じような不用意なことをした人は過去たくさんいたと思うが、その99%は天候も変わらず楽しい登山として終えたことであろう。
1%の最悪のケースに対して準備をするのが、「山の常識」とは言え、経験を積んで、安全であることを体感すればするほど、必要なかったその準備が無駄に思えることもあるのかもしれない。

途中で引き換えす選択肢は常にあるわけだが、「達成の可能性がある前進」と、「達成できないかもしれないので行う後進」では、前者を選びたくなる誘惑が高い。

いや、そもそも、寒くなり体力が奪われると、身体よりも頭がまず働かなくなり、判断をしないまま、身体だけ動かしてしまうことになりがちだ。(スキーオリエンテーリングをやっていていつもそう思う)

会社を経営していても、リスク管理が足りなかったなぁ・・・とか、前進するより撤退する方が難しいんだよなぁ・・・と、以前は山登りとの共通点を感じることのほうが多かった。

ところが、昨今は相違点のほうが気になるようになった。
利益を生み出すことが主目的のビジネスにおいては、「本当に対応しなければいけないリスクなのか?」と、まずコストの面から気になる。そして、最近ではコストよりも、「スピード」の点から、もっと気になる。そして少々のリスクなら、たとえ失敗しても、またやり直せばよいだろうという判断を行う。

撤退の判断はいつも悩ましいが、「あきらめなければそれは失敗ではない」という素晴らしい格言もビジネス界ではあり、しぶとく、ちまちま続けていくことで状況が好転することもある。

結局、私が関わる事業経営では、命まで奪われる危険は極端に少なく、やり直しが何度でもきくと言うことだ。

小さな成功や失敗でいつも一喜一憂しているが、なんてarc communicationsを経営するのは楽しい活動であろうか!と、ゴールデンウィークを完全オフしていた私はしみじみ思ったのであった。

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