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リーダーシップがないと嘆くより、自分のフォロワーシップを高めたほうが近道

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緊急事態ほどリーダーシップを要求されることはない。
確かに先行きが見えず、不安な時に、「こちらへおいで」と進むべき道を示してくれる人は大変ありがたい。

会社の経営の立場にいると、リーダーシップについては、強迫観念のように身につけねば、と思うのだが、リーダーシップというものはリーダーが一人頑張って得られるものではないとは思う。

社長の立場でフォロワーシップのことを強調しすぎると、職務放棄のほうに聞こえて言いづらいのだが、リーダーをリーダー足らしめるフォロワーがいて、リーダーシップは成り立つものだ。
フォロワーが力足らずだと、独裁者が生まれ、そのような不幸な歴史が過去いくらでもある。

リーダーシップは、「リーダーシップのある人がほしい、ほしい」と愚痴を言ったら生まれるものではない。ミクロで考えると、リーダー不在は自分のせいでないように感じるかもしれないが、マクロで考えると、リーダーは優秀なるフォロワーが作り出すものだ。

とくによきコミュニティを作り出そうとするときは、たった一人のリーダーよりも、数の多いフォロワーが果たす役割ははるかに大きい。不幸にも震災にあってしまった方々のコミュニティが混乱も少なく毅然としているのは、確たるリーダーがいるからではなく、一人一人が自分のこととコミュニティのことの両方を考えることが出来ているからだ。

フォロワーシップも度が過ぎるとリーダーを甘やかすことになりかねないが、自分がコントロールできる事象のなかで努力した方が、ないものねだりをするより、ずっと建設的で、現状を打破できる。

地震の時にアークコミュニケーションズは広域避難場所に避難し、会社で夜を明かすという選択をした。最終的にそう決断をしたのは責任者である私だが、スタッフは盲目的に私に従ったわけではない。
メディアから情報を収集するなどして最後まで自分で判断しており、その上で、私の指示に従っていると思う。
こんな頼もしいスタッフに囲まれているからこそ、私はこの組織を支えるリーダーとして甘えてはいられない。

そして、リーダーシップを考えることで手いっぱいだったフォロワーシップについても、一日本人として磨きをかけなければいけないと感じるのであった。

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