就職ガイダンス:正しい選択肢(職業や組織)を探そうとするから悩み焦るんだよね。でもそんなものはありません。
東大女子学生対象の就職ガイダンスに出席した。
いつも思うことながら、私が教える事より学生から私が得ることの方が数倍大きい。彼らの発するエネルギーは素晴らしく大きく、とても気分が高揚する。
25年前に卒業した私が、今の就活におけるノウハウを教えることにはあまり意味がない。しかし、就職活動の意味とその後歩んだ道が25年後にどのようになっているのかをいくつか示唆することは出来る。そこから感性の高い学生が何か感じ取るかどうかだけだ。
ある学生が「焦ったって迷ったってしようがないのに、どうしてそうなるんでしょうね?」と自嘲気味につぶやいた。
東大の女子学生は昨今の厳しい就職事情を思えば、随分恵まれている。
それでも、「仕事も一生懸命したい、家庭だって大事にしたい、それをするにはどの仕事を選べばいいのか?どういう組織に属すればよいのか?」と女子学生は悩むのだ。
大学生のあの頃は、就職先に「正解」があると思っていた。A,B,Cという3つの選択肢があったら、どれが一番自分に向いているのかわからなくて悩み、一つに絞り込んで決めるのが怖い。道を選択したらしたで、自分の選択した道が実はベストチョイスじゃなかったのではと焦るのだ。
仕事をするのに「正解」なんてない、と実感をもって気が付くのはいつ頃のことだろうか?ベストチョイスを探すことにエネルギーを使うより、選んだ道で精一杯努力して次の飛躍につなげることのほうがはるかに若いころは有意義だ。
そして、いつでも道は選び直せるのだ。仕事も人生も一本道でなくて、ぐるぐるぐるぐる曲がりながら、時には遠回りをしながら、進んでいくものだ。
と、言えるのはやっぱり私がこの年になったから。大学生の私にこう言っても、頭でわかってもぴんとはこないだろう。
若者よ大いに悩め(笑)そして、最後は自分の直観を信じよう!「直観」ー下手な論理的思考より、意外に当たるものですよ。