選ぶだけで大変すぎる:消費者は商品・サービスの小さな差に意義を見出すことに疲れている
いつからだろう?私がノートパソコンや携帯電話のスペックを気にすることなく、同じ機種を購入するようになったのは?
ある時点まで、私は間違いなくノートパソコンのスペックについてはかなり詳しいユーザーだった。
主だったメーカーの製品の詳細なスペックを比較し、値段を比較し、ToshibaのDynabookを買うことに決めた時は、ワクワクした。
2年後に買い換える時も、同じように主だったメーカーの製品の詳細なスペックを比較し、再びDynabookを購入すると決めた時は、前回下した判断はやはり間違いがなかったと嬉しかったものだ。
しかし、いつの間にか私は製品の詳細なスペックを比較することを止めて、後継モデルを買うようになった。
ユーザーとして製品に不満があるわけではないが、買い物をするときの選ぶ楽しさを失ってしまった。
携帯電話も、主だったメーカーの製品の詳細スペックを比較し、値段を比較しSony Ericsson社のモデルを買っていた。
しかし通信事業者が統合されるタイミングで、新たにすべての製品のスペックを較べることが急に面倒になり、お店の人に勧められるまま、とあるモデルを買った。ブログを書く人には人気のカメラ機能の充実したモデルだったが、私はブログに写真をアップすることがない。
前の機種と比べても使いづらく、気にいらなかったが、買い換える際は、ユーザーインターフェースが変わるのが面倒だという理由で後継機種にしてしまった。後継機種と言っても、微妙な機能が増やされている分、かえって自分には使いにくくなってしまって、さらに不満になった。
かくのごとく、消費者は、商品・サービスの小さな差を見出すことに疲れている。
常々一消費者として感じていた疑問が、スカッと解消したのがこの本。
ビジネスで一番、大切なこと~消費者のこころを学ぶ授業
ハーバード・ビジネススクール教授
ヤンミ・ムン
ダイヤモンド社
本当は母校のケロッグビジネススクールの教授の本を紹介したかったのだけど(笑)