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誰も教えてくれなかった起業のこと:「ベンチャーだからこそリスクをとってはいけない」

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メディアや講演を通して知る起業成功物語は、「いかにリスクをとって、成功させたか」ということになりがちだ。
メディアは人々の感動を呼ぶストーリーとしてそのように取り上げたいのだろう。
ご本人にしても、フォーマルな場で話せる範囲は限られるし、過去が美化されているのだと思う。

私自身起業するときも、「リスクを自分で取るんだね、すごいね」という褒め言葉が多かったと思う。

しかし、真実はかなり違うと、自分の経験や、起業仲間を見ているとそう思う。

ベンチャー経営を10年以上もやっていると、倒産ないしは撤退した身近な会社の数はかなりに登る。
倒産した会社の共通点は、必ず良い時があることである。
「これだ~!!!(または、これしかやれることがない!!!)」と思って、ありとあらゆる資源をつぎ込んで、方向の修正がきかないまま倒産している。(「これだ~!!!」と思ったタイミングがベンチャーキャピタルからお金を集めた起業時のみという会社もあるが)会社が急激に大きくなりすぎて、黒字で倒産した会社だってあった。

世間は「リスクをとることは素晴らしいことだ」とはやし立てるが、それはリスクをとって失敗することが他人事だからだ。

成功している人は、意外にリスクをとっていない。
「あの人はいくつも事業を成功させているけど、自分じゃビタ一文も出していないんだよね」
とか、「ずるいよなぁ~、それをやればノーリスクで誰でもうまくいくじゃない」と言われるのは、褒め言葉なのだと最近思う。

0歳児の会社が思い描いた通り成長するわけがない。
にもかかわらず体力のない0歳児の会社に無理をさせて、いきなり肺炎にかからせて、生命を脅かすようなことをさせてはいけない。

成功している起業家は皆したたかで、小心者で、柔軟性がある。

RiskはTakeするものではなくManageするものだ、というビジネススクールの教えはこういうことなんだと思う。

じゃあ、私はどうなのかという話しは次のエントリーで。

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