ビジュアルデザインにおけるリクエストの出し方
前エントリーで「感覚的なことを言語化せよ」と書いたが、WEBのデザインに希望を反映させたい時はどうしたらよいのであろうか?
WEBの仕事にかかわるようになって初めて私はビジュアルデザインの仕事に関わった。事業を始めた頃のデザイナーとのやりとりはだいたいこんな感じ・・・・
「大里さん、デザインあがりました。どうですか?」
「う~ん、なんかさみしいね。もっと華やかにならないの?」
「華やかですか?わかりました」
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「大里さんのリクエストを反映してみたのですが。」
「えっとね、華やかって言ってもさぁ、こんなきゃぴきゃぴな感じじゃなくて・・・う~ん、何が悪いんだろう。そうだ、ここのところの線をもっと細くたくさん引いて、このアイコンの色を赤に変えて、もう少し大きくして・・・・」
「わかりました。やってみます」
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「大里さんの言うとおりにやったらこんなになっちゃったんですけど」
「え~、これって一番最初より悪くなっちゃったじゃない」
「でも大里さんの言うとおりにやるとこうしかならないんです・・・」
この手の失敗をやった人って実は結構多いのではないかと思う。ビジュアルデザインを作る人はプロでも、発注者は経営者であったり事業の責任者であったりして、ビジュアルに関しては全くの素人であることが多いからだ。
あれから10年たった私の分析は下記のよう。
・1番目のリクエストがNGの理由:感覚的なことを言語化が出来ていない。
デザインを見てさみしいなぁという不満があり、華やかにしてほしいとリクエストを出した。しかし、これだけではやはり感覚的なことを言語化しきれていないのだ。それが証拠にデザイナーは違う方向性の華やかさを提案してきてくれたのだから。デザインの方向性を示すために、形容詞だけで言語化しようとすることがいけないと気づき、文章でリクエストを説明するように心がけている。
・2番目のリクエストがNGの理由:素人の発注者が手段を指定してしまった。
一番目のリクエストで感覚的なことを言語化できていないと気づき、デザイナーがより具体的な作業にかかれるようなリクエストに変えた。しかし、デザインのプロでない私が、自分のリクエストをかなえる手段として具体的な作業指示(それも正しくない指示)を出しているのが大きな間違い。だから、デザイナーに「大里さんの指示通りにやるとこうなっちゃうんです」と言われてしまう。
優秀なデザイナーは、2番目のリクエストが顧客から出た時に、顧客の不満の意図だけ理解し、実は顧客が依頼したこととは別の手法で顧客の不満を解決したりするからすごい。
今の私は「感覚的なことを出来るだけ言語化して、デザイナーが次にどのようなステップを踏めばよいか自分で考えられるように情報を提供すること」に心を砕いている。
今ならたぶんこう言うだろう。
「う~ん、なんかさみしいね。もっと華やかにならないかなぁ?華やかと言っても赤い大きな一輪のバラで圧倒する華やかさでなくて、たとえば、お花畑に小さな色々なお花がたくさん咲いていて感じる華やかさ。全体でなんとなくまとまり感のある華やかさ。そういうお花って、ひとつひとつに注目するとディーテールを感じるじゃない?ひとつひとつが主張し過ぎるのは嫌なのだけど、ディーテールにはこだわりたいかなぁ。色味はねぇ、赤が好きなので、赤を感じさせてほしいなぁ。どこにどの分量を使うのかはおまかせ。
私がさみしいって思った理由をわかってもらえた??」
左脳人間の私らしい理屈っぽいリクエストの仕方なのだが、皆様のビジュアルデザインに対するリクエストの秘訣をぜひご伝授ください!