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翻訳発注ルール3:翻訳会社に品質管理のしくみについて尋ねる その3

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10年前翻訳サービスを立ち上げた頃、私が想定していた翻訳とは「大量の技術翻訳文書」であった。ソフトウェアのマニュアルや工業製品の仕様書など。
そういう翻訳物における高品質とは「ばらつきがなく正確なこと」。まっさきに思いついたのは工場の品質管理だ。世界に名だたる日本の製造業の品質管理のノウハウをサービス業である翻訳作業に少しでも応用すれば、翻訳業界で差別化できると確信していた。

例えば、工程指示書を作ること、製造工程とQA工程を分けること、ラインで不良が出たらただちに止めて原因を探ること、合格基準を決めることなどなど、品質管理において参考になることは山の様にある。

「寿命1,000時間」という仕様の電球を1,000個作ったら、1,000±1時間ですべての電球の寿命がつきるような、そんな品質管理に憧れていた。ラインで鈴木さんが作ろうが田中さんが作ろうが製品にばらつきが出ない、そういう翻訳サービスを目指している。

さて、実際に翻訳会社を経営してみると、扱う翻訳物は大量の技術翻訳文書だけではないことに気がつく。会社案内や製品紹介のパンフレットの翻訳、プレスリリースやスピーチの翻訳。はたまた小説の翻訳。

いくらハリーポッターの小説がシリーズ化されたからと言って、私が目指している品質「ばらつきの少ない正確な翻訳」では、誰も満足しないだろう。
そう、翻訳の中には、職人技で寿命が10,000時間の電球作りを要求されることもある。(そして以前はそれが大部分だった)

職人芸技とマスプロダクション技。その二つの上手なコンビネーションが、翻訳の品質の決め手になるなぁとつくづく思う。

注記:このエントリーは当社発行小冊子「翻訳品質を上げる7つのルール」の補足として書いています。小冊子に興味がある方はこちらからお求め下さい。
http://www.arc-c.jp/present1/index.html

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