夫婦別姓:パスポート更新その2
パスポートに旧姓併記が出来るようになって便利になったと思ったのだが、あにはからんや。旧姓併記は「自分がそうしたいから」では通らず、「旧姓を表記しないと止むに止まれぬ事情があるから」許されるのである。そうとは知らない私は・・・
「戸籍名でしかやっぱりパスポートは作れないんですね。それでは旧姓併記したいのですが、どうすればよいのですか?」
「失礼ですが職業は?」
「会社を経営しています」
「それは理由になりませんので、旧姓併記できません。」
「え~!だって、仕事で海外に行くんですよ。」
「会社に旧姓使用証明書も発行していただく必要もあるのですが、大里さんの場合はご自分で作ればよいことになるんですよね・・・」
「(しょうがないじゃない、社長なんだもん!)クレジットカードだって名刺だって全部旧姓ですから、困ります。」
「う~ん、どういう会社なんですか?」
「翻訳会社です」
「あぁ、翻訳者ですか。だったら、旧姓で書かれた英語の論文や書籍があれば大丈夫ですよ」
「(翻訳者じゃないけどいいや)あのっ、翻訳者と言っても、実務翻訳者ですからそんなものありません」
「えっ、書面でないと駄目なんですよ。無理ですね」
そ、そ、そんな~。
窓口の方は丁寧な方であった。が、解決策が見えないので、だんだん私が不機嫌になってしまった。
「とにかく書面があればいいんですね!」
「どんな書面がありますか?」
「(書面じゃないけど)当社の英語のホームページに旧姓の私の名前が書かれています!」
「う~ん・・・何か書面でないですか?」
「・・・英語の会社案内があります!」
「う~ん、それ以外に外国での実績として何かないですか??」
「・・・・・外国のお客様と結んだ契約書があります!」
「こうなったらあわせ技でいきましょう。今言ったものはすべて用意してください。契約書も出来るだけたくさん」
ということで、会社に帰って、管理のスタッフにたくさん資料を用意してもらう。「大里さん、夫婦別姓法案が通れば、私たちがいつもしているこのむなしい作業はなくなるんですよねぇ。役所といちいちやりあうより、有力な政治家にさっさと夫婦別姓法案を通してもらうよう、ロビー活動でも頑張ってくださいよ。」
いつもお手数かけます、お陰さまで離婚の危機を回避できまして^^;
ちなみにパスポートは「外国において旧姓で仕事をしその活動や実績が書面(招聘状、論文等)で確認できる方、又は職場で旧姓を使用し業務で渡航する方については、旧姓を別名併記(カッコ書き)することができます。」だそうだ。