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そんなに夢を持たなきゃだめかなぁ?

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イチローも若田さんも子供の頃の夢をかなえて、プロ野球の選手や宇宙飛行士になった。大変素晴らしいことだ。しかし、皆が皆、子供の頃を夢をかなえていたら、世の中、スポーツ選手と宇宙飛行士とおまわりさんとお医者さんと先生だらけになっていることだろう。

夢ブームのお陰で「夢はもたなければいけない」という悪い強迫観念がはびこっている気がする。物事の好き嫌いがはっきりしていて、目標に向かって努力するのが得意な人はいる。そういう人が夢をもってその実現に向かうのは大いに結構だが、そうでない人まで、どうして無理やり夢をもたなきゃいけないのだろう。

夢と言うのは自分の中からしか出てこない。つまり「蓄え」が少ない人はその少ない選択肢から道を選ぶわけだから、最初から可能性を極端に絞り込むことに対する危惧を私は感じる。

であるから、就職活動を目の前にして「何をしたいのか、何が好きなのかわからない」と相談に来る学生にはむしろ同情する。当たり前である。働いた経験がないのに、「私はこれが好きで、これしかしたくありません」という学生よりよっぽど好感がもてる。(が、世の中何をしたいのかわからない子羊には結構冷たいようだ)

そんな学生には、嫌いなことだけを排除して、縁あって得た目の前の仕事に集中することを薦める。やってみなければわからないことはたくさんあるし、向き不向きなんて自分より経験を積んだ他人のほうがわかることもある。

縁で方向性が変わるのも、新しい可能性が開けるのも、前向きにさえ捉えれば、人生の醍醐味のひとつだと思うのだけど。

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