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Whatを教える訓練、Whyを教える教育

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身の丈にあった社員教育のことをよく考える。自分自身を振り返ると・・・・

新入社員で入ったIBMでは、山のような研修を受けさせてもらった。新入社員に限らず社員教育に多大な投資をする会社の姿勢は有名だ。「君たちにはうん千万円の単位で投資をしているのだから、2年はいてね」とある方に言われ、逆に「えっ、たった2年で回収できるの?」とびっくりした。今思えば、若い女性が結婚を理由に退職することを恐れての言葉だったのだろうが。

研修らしい研修を一度も受けなかった会社もある。が、実務でたいそう「勉強」させていただいた。その会社が私に仕事をさせたために失った金額(=私に投資した金額)はIBMの研修でかかった費用よりもはるかに上回る。IBMはこういう事態を見越して、研修を投資しているのだろうな。でもこんな貴重な体験を机上で学べるのかしら?

ベンチャーで仕事をしていた時は、することなすことすべてが新しいことで、「仕事」=「勉強」の意味あいが強かった。すべてOJTだ。勉強は「研修」ではなく本を読んだり、先陣に教えを乞うたり・・・が、ある時、ものすごく忙しくなってしまって、Output>>Inputの状態になり、行き詰ってしまった。

さて、アークコミュニケーションズではどうしたらよいのだろう?残念ながらIBMのように新入社員にいきなり多額の投資するようなことは出来ない。が、小さい予算なりに知恵を絞って、今まで試行錯誤で色々なことをしてみた。

方法論で言えば、
外部の研修に出てもらったり、内部で勉強会を開いたり、ファシリタティブにワークショップを開いたり、本を読むことを奨励したり。

学ぶ内容も試行錯誤で
ソフトウェアの使い方、英語力アップ、業界固有の知識の勉強、ビジネスパーソンとしての基本のこと、アークコミュニケーションズ固有のこと、人脈を広げること・・・

なんだか、少々いきあたりばったり感が強くて、しっくりいかないなぁ~と思っていたときに、ハーバード流人的資源管理「入門」 の監訳を引き受け、腑に落ちた。

「教育」と「訓練」は違うが、同義に捉えられることが多い。
「訓練」とは「何かをする方法を学ぶこと」であり、「教育」とは「なぜ物事がそうであるのかに関して理解を深めること」である。
つまり「訓練」は行動を学ぶことであり、「教育」は考えることを学ぶことである。
よって、教育のほうが企業から見たときに、お金もかかるしすぐさま効果も出にくく、企業が訓練に重きを置くのはそのためである。

なるほど~。私は今まで「教育」にばかり投資をしていて、すぐさま効果がでないなぁと悩んでいたんだ。短期間で効果が必要なら「訓練」をすべきだし、「教育」には短期の見返りを期待するほうが間違いだったのだと明快になった。(そんなこと当たり前でしょ!っと一部の人には言われそうだが)

最近は、キャリアのフェーズに応じて「教育」と「訓練」のバランスを考えるようにしている。

しかし、部下の心配より、自分の「教育」と「訓練」を先に考えたほうがよいような気も・・・・^^;

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