おいしいプロジェクトはやばい
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「うまいこと言うなぁ」と思わず膝をうった。営業が「おいしいプロジェクト」だと持ち込む案件が、制作にとって「おいしかった」経験はなく、「やばいプロジェクト」がほとんどで、要注意なのだそうだ。(注:やばいは今時の若者がいうvery goodの意味ではなく、危ないという意味)
不当に高い値段をつければ、どんなプロジェクトでも確かに「おいしく」なるが、それは「詐欺」と紙一重だ。今時、ただ「おいしい」プロジェクトなど転がっていない。
営業が「おいしい」と感じるのは、他社がそう簡単に提供出来ないサービスに対して、当社ならではの付加価値をつけることが出来、プレミアムの値段がとれたと思うからである。
「他の会社だったら出来なかったこんな付加価値をつけてプロジェクトを取ったぞ!俺ってすごいなぁ!」という自画自賛の気持ちも込めて、「おいしい」と言ってしまう。
かたや、制作が「おいしいプロジェクト」として最初に連想するのは、「楽な」プロジェクトだ。そこへ、営業は受注した喜びのあまり、制作に対していとも簡単なプロジェクトであるかのように強調してしまう。
「そうか、楽勝プロジェクトなのか・・・」なんて油断しようものだったら、ひどいしっぺ返しが来るのだ。
「だから僕は営業が「おいしい」と言って持ち込んだ案件は、通常の案件の倍以上注意していますよ。」と制作担当のHさんが言った。
頼もしいなぁ。彼の凄さを感じる一言。
こんな頼もしい言葉を聴いてしまうと、ますます安心して「おいしい」案件を取ってこようと思う私であった。
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