【5000人】 卒論・修論発表のUST配信は、何をもたらすか
ソフトバンクの決算発表USTream配信が話題となってまだ1月も経っていないのに、USTという言葉をいろんなところで見かけるようになりました。ちょうど今、大学は卒論・修論の発表会がピークを迎えようとしていますが、それをUST配信する動きが見かけられます。下記はその一例です。
●中部大学 工学部情報工学科 藤吉研究室 卒論・修論発表UST
→卒論発表は2月15日16日に終了、
修論発表は2月17日(今日です!)ライブUST!
●お茶の水女子大学 理学部情報科学科 椎尾研究室 修論・卒論発表UST
→修論は2月10日、卒論は2月13日に終了
大学における卒論・修論の発表は、学生にとってはそれこそ卒業がかかった一大イベント。しかしほとんどが指導教員+発表学生+αの参加者による関係者限定のインナーイベントとして運営されてきました。それがUSTによる配信で一気にオープンな発表会に変わってしまうわけで、このインパクトは結構大きいのではないでしょうか。
研究発表のUST配信については、もちろん技術的な問題もさることながら、内容を公開することに対する問題、たとえば共同研究先との守秘義務、特許、著作権などの問題など、考慮すべき点は多々あると思われます。
しかしながら、研究者がその研究内容を論文や学会発表などで公開し、そのFBを受けてさらに探求を重ねることは至極普通のプロセス。UST配信はライブゆえに、留意すべき点はあろうかと思いますが、公開するという点ではメディアが変わるだけのことだという見方もできるでしょう。
また卒論・修論発表といえども、研究発表の場という点では同じ。むしろUST配信によって手軽に公開することが可能になり、外部のFBを享受できるというのは、発表機会の少ない学生にとって大きなメリットになり得ます。発表者に一層の緊張感を生みだし、より良質な研究・発表へとつながっていくことも期待されるでしょう。
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つらつらと考えると、いろいろな問題があることは踏まえつつ、まずはやってみるという前提で、やりながら直しながら前に進んでみるってのがいいのかなぁと思います。その意味では思い切ってUST配信に踏み切った大学のチャレンジに1票、という心境です。
ここ数週間で急激にUSTの波が高まっている状況を見ていると、近い将来、卒論・修論のUST配信がスタンダードになる日がくる…というのは大げさかもしれませんが…少なくとも、全国で諸処開催されている学会の研究発表が、今後UST配信によって公開されていくのではと、勝手に予測(期待?)していますが、どうでしょうかね。
先日のソフトバンクの決算発表をUSTで視聴した人は【5,000人】とも6,000人とも言われています。さて、今日2月17日開催の中部大学藤吉研究室(FLAB)の修論発表、何人くらい見にきてくれるのでしょうか。学生たちのがんばりにエールを送りつつ、楽しみにしたいと思います。