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【5000人】 ソフトバンクの決算発表Ustream配信は、何が画期的だったのか

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 ソフトバンクの2010年決算発表会のUstream配信が話題になっていますね。視聴者は【5000人】とも6000人とも言われています。ジャーナリストの林信行さんはTwitterで同時中継しつつ、「この決算発表、いろいろな意味で日本のIT史に残るかも!?」とTLで残しています。決算発表をこれだけの人が見るというのは、確かに画期的なことだったと言えるでしょうね。

 今回のライブ配信、私は残念ながら見ることはできませんでした。しかし、ソフトバンクは昨年の株主総会ですでにWeb公開を行っており(記憶ではライブではなかったと思う)、わたしにはあまり驚きがありませんでした。ここで私が記しておきたいのは、林さんが書かれた「いろいろな意味」という意味深な言葉。私は、いろいろのひとつに、
 

 決算発表や株主総会のライブ配信が、
 企業イメージを変えていくのかもしれない

 
という意味が含まれていたのでは、と勝手に推測しています(林さん、間違っていたらすみません)。昨年6月、私はソフトバンクの決算発表を「視聴」し、はじめて株主総会というものを「体験」しました。それをエントリーとして残したのがこちら、

 【2586億1400万円】 経営者らしい未来予想図 2009年6月26日付けエントリー

です。詳しくはお読みいただければ幸いですが、わたしはこの体験で、ソフトバンクという会社のイメージが少し変わりました。かいつまんで言えば、これまで私が同社に持っていた、どちらかといえばネガティブなイメージが、株主総会における孫社長の肉声を通して、経営者らしいポジティブな戦略という見方に変わったことを書いたわけです。

 現在、決算などIR情報のディスクローズは随分と進んできましたが、数値や文字情報の公開はあっても、肉声による「空気」までは伝わっていませんでした。それを打ち破ったのがソフトバンク。その効果を検証し、昨年の株主総会公開に続いて、今回の決算発表ライブ配信に至ったのだろうと思います。
 
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 株主の向こう側には、何百万人というユーザーがいます。決算発表や株主総会を、株主だけでなく、顧客、そして広く一般市民に対し、経営者の肉声を届ける貴重な機会だと考えられるかどうか。これって大事な視点ですよね。
 

 企業理解という点において、経営者の肉声を直に聞くというのは、リクルート在籍時代に最も大事にしていた手法のひとつでした。それが今やネットの力を借り、自宅で、職場で、カフェで実現できてしまう。実に画期的なことだと思うわけです。

  
 今回のUstream配信では、昨年の株主総会の映像&パワーポイントスライド配信から一歩進めて、孫社長の発表のライブ映像&視聴者のコメントという双方向の情報公開を実現しています。これを可能にした技術レベルの高さは素晴らしいと思います。しかし私が最も画期的だと感じているのは、失敗の許されないライブによる経営情報の発表と、それに対する視聴者コメントのフィルターなしでの公開を、誰もが気軽に見られるカタチで実現した経営判断です。ライブは失敗の許されない本番です。また視聴者コメントは、下手をすれば炎上の可能性すらあります。こうしたリスクを承知の上で、ディスクローズを決めた孫社長の経営判断は賞賛に値すると思います。やっぱ孫さんってスゴイかも。
 
 今回の件では、IT技術の動向に話題が集まりがちですが、個人的にはこれをどう活用するのかという経営手腕に注目していきたいと思っています。
今回のソフトバンクのような経営判断ができる経営者がどれくらいいるのか。この先が楽しみです。そして個人的な経験値ではありますが、こうした姿勢が、企業イメージを変えていく可能性があるということを繰り返し書いておきたいと思います。。。

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