【22,950人】 今の雇用に新陳代謝という言葉は当てはまらない
新卒採用が厳しさを増し、中途採用も減少に歯止めがかからない中で、企業は更なる雇用のスリム化を図っている状況が浮き彫りになっています。東京商工リサーチが1月19日付けで発表したところによると、上場企業における希望・早期退職者募集が2009年に191社を数え、調査開始以来2番目に多い記録となったようです。
(前略)…2009年に希望および早期退職者募集の実施を開示した主な上場企業は、具体内容が確認できたもので191社(募集後に法的手続を申し立てた3社、情報開示後に上場廃止した7社を含む)に達し、2002年(200社)に次いで2番目に多かった。調査対象が開示ベースのため単純比較が難しいが、前年(2008年:情報開示企業68社)と比べて2.8倍となり増加が目立った。
…(中略)…
募集人数(募集人数が不明の場合は応募人数を参照)の合計は、情報開示した189社合計で【2万2,950人】(前年8,979人)にのぼった。募集人数が2万人を上回ったのは、デフレが進行し、金融機関の不良債権処理が加速した2002年の3万9,732人以来7年ぶり…(後略)
※東京商工リサーチ 2009年1月19日付けリポートより一部引用
個別企業で募集人数が最も多かったのは、アイフルとパイオニア(グループ会社を含む)の各 1,300人。募集または応募人数が100人以上になったのは70社。年内に2回募集した企業も14社もあったそうです。
新陳代謝という言葉は、今の雇用情勢には当てはまらないのでしょうか。企業は採用を抑制するのと同時に退職を促進し、とにかくスリム化に突き進んでいるように見えます。もちろん景気が持ち直してきたら採用を復活させるのでしょう。しかし人は機械じゃない。人材育成には時間がかかります。そうなると簡単に業績を回復させることはできません。それを解っていながら雇用を絞らざるを得ない。まさに雇用のデフレスパイラルが重くのしかかってきています。。。