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●人、●%、●億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

【11月10日】 本を出すということ、ブログを書くということ

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 前回も紹介させていただいた通り、【11月10日】、アスキー新書から新刊『親子就活~親の悩み、子どものホンネ』を出版させていただくことになりました。今春に同じくアスキー新書から『雇用崩壊』(共著)を出版したことが縁で、今回の機会をいただきました。
 
 先週、編集デスクがわざわざ新幹線で名古屋まで刷り上がりを届けに来てくれました。名古屋駅の地下街にあるみそ煮込みうどん店で見本誌を手にしたとき、見た目こそ何度も目にしたデザインながら、あらためて感慨深いものがありました。この気持ちは何なんだろうか。本になるまでの過程は、それなりに大変でした。夏休みをまるごとつぶして執筆に没頭したこと。平日の夜や休日も取材を重ねたこと。時間が限られていたこともあり、いろいろ犠牲にしたこともありました。でも多分、今わたしの気持ちを支配していることは、そんなことじゃない。
 
 振り返っていろいろ考えてみるに、それは自分の思いを形にすることの難しさと、それを世に送り出す重さみたいなものだと思います。
 
 ブログにせよ本にせよ、わたしは自分の中にある思いを何らかのカタチで世の中の人に知ってもらいたいと思ってやってきました。広告、週刊誌、本、ブログとメディアこそ変わりましたが、この思いはリクルート時代から変わらないことです。もちろんメディアを持つということ、そこで何かを発信するということは、社会的責任を負うということです。メディアが強ければ、それだけ背負うものも大きくなる。たくさんの人に見てもらう、読んでもらうということは、それだけの覚悟が必要です。1本のブログ記事でも、1冊の本でも同じでしょう。
 
 拙著の中で、果たしてわたしはをちゃんと思いを伝えられたのだろうか。それは就活に悩む誰かの役にたつのだろうか。今、これから世に出る本を手にして、そうした不安や責任みたいなものをあらためて感じ、うれしさを感じるどころか、重くなっています。何年もメディアに関わることをやってきたくせに、今さらながら当たり前の青臭いことを思っています。
 
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 わたしはリクルートで15年間、新卒採用と中途採用に関わる仕事をしてきました。時期的にはバブル前からバブル期、そして崩壊後と、激変の渦中に身を置いてきました。今思えば、なかなかできない貴重な経験をさせていただきました。特に後半は、氷河期に突入して喘ぐ若者たちの姿を目の当たりにし、いろんな思いを抱えました。
 
 たしかに今どきの就活は本当に大変です。マジメにコツコツとやっていても、その大変さに押し流されて、簡単に自分を見失います。あー自分は負け組なんだと、ネガティブ志向につい走ってしまいがちです。でも、よく考えてみてください。本来就活で成し遂げたいことは十人十色、勝ち負けなどないはずなんです。そう、就活の成功・失敗を決める社会的モノサシなど、存在しないのです。誰もが知る大企業に入れば成功、無名の中小企業なら失敗。世の中はそう決めつけるかもしれませんが、実は違う。それは自分の価値観が決めるものです。さらに成功・失敗は、今の段階では判断できません。それは何年か経って自分の歩いてきた社会人人生を振り返ったときに感じるものです。正解などないし、今の判断が正しいのか間違っているのか、誰にもわからないのです。だから悩むのです。
 
 今回、『親子就活』を通じてわたしが伝えたことが、就活に悩み苦しむ人々に、わずかでも元気や勇気をもたらすことができれば、そんな嬉しいことはありません。今はそれを願うばかりです。。。

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