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【2倍で半額】 iPhone広告に見る日米差~何だかバーゲンっぽくないっすか?

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 近所の家電量販店の店頭で、一旦完売したiPhoneが再入荷したと、大きな張り紙がありました。そうか~。でもね、iPhoneは買わないんだ、うん、買わない。私には必要ない。うん。だって機種変更で買えないし。だって携帯でweb見ないし。だって絵文字使えないし。ん? とにかく、買わないんですよ…って思ってても、ふと気がつくと、無意識のうちにiPhoneのWebSiteを開いていたりしますが、まぁ、いいんですよ、別に。で、またiPhone関連のエントリー(これで3本連続)ですが、まぁ、いいんですよ、別に。

 今日。ふとiPhoneの見慣れたページを見ていて、気づいたことがあります。WebSiteのトップにある、iPhone 3Gのキャッチコピーって、日米でまったく違うんです。みなさん、お気づきでしたでしょうか。

  “みんなが待っていたiPhone、ついに登場。”
           … 日本 …http://www.apple.com/jp/iphone/

  “Twice as fast. Half the price.”
           … 米国 …http://www.apple.com/iphone/

 すでに昨年からiPhoneが販売されている米国では、iPhone 3Gは、いってみれば2代目のiPhoneなわけですから、“The iPhone you've been waiting for.”と言うわけにはいきません。だから、キャッチフレーズは日米で異なっていて当然です。そう、当然なのですが、それにしても、“性能は【2倍】で、お値段は【半額】!”って、まるでバーゲンのCMじゃあるまいし、日本人には受けるかなぁ、どうなのかなぁって思いませんか。

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 この日米の広告の違いには、米国と日本の広告観の違いが端的に出ているなぁと思います。

 元々、米国の広告は、価格にせよ、機能にせよ、その優位性を端的に見せる、実証広告や比較広告がスタンダードなスタイルです。つまり、抽象的なイメージより、ズバリ“ここがお買い得”を示す、合理的な広告が支持される傾向にあります。ところが、日本の場合はちょっと違います。価格や機能にもうるさいけど、イメージが悪いものは好まれません。ダイレクトに他社との違いを訴求するCMも見られますが、概して評価は高くなかったりします。日本人は、性能・機能だけでなく、ブランドも含めて、イメージを価値だと評価する傾向にあります。

 でも、それなのに、安くないと売れないから、困ったものですが。安いのがいいと思っているんだけど、それだけじゃイヤ。特にApple製品、MacintoshやiPodの日本におけるファンは、そのデザイン性や洗練されたイメージ、おしゃれ度、遊び心を高く評価しています。だから、イメージを大事にする日本で“性能は2倍で、お値段は半額!”っていうCMはありえない(と思います)。

 安くないと買ってもらえないのに、安いよって言うと買ってもらえない。なんだか日本人ってムツカシイ、、、じゃなかった、奥ゆかしいですね。。。

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