オルタナティブ・ブログ > 『Internet & Mobile』 ア・ラ・カルト >

これまでのリサーチ経験をもとに、インターネット、モバイル分野のトレンドを独自の目線で切り込む!

SNSのビジネスの難しさ 『MySpace』は如何に

»

皆様のご周知の通り、先日MySpaceの日本語版が公開されました

MySpaceのブログについてはオルタナティブブログでも『内田さん

が既に触れられておりました。

『音楽』を差別化要素として国内への参入!果たして国内では

ミクシーを圧倒できる程の成功を収める事ができるのか?

それを考えたときに答えは難しいと考えております。今年に入り、

韓国のSNS最大手サイワールド、楽天リンクス、YahooDays、

また音楽系ではLast.fmなど多くの企業が市場参入していますが、

Alexaのデータを見ると大きく利用者数を伸ばしているSNSは

見当たらず、『MySpace』も同様な道をたどる気がしてなりません。

MySpaceが成功しにくい要因として以下の2つがあります。

【MySpace型のSNSが成功しにくい要因】

■SNS利用者の大半は複数のSNSではなく、1つのSNSサービスを

 利用していること

■音楽を軸とした観点は面白いが、著作権などの問題を考えると

 国内のアーティストを聞こうとした場合、プロモーション的な仕掛け

 を除き自らが好きな音楽を聴くことができない

1番目のSNS利用者が1つのサービスのみ利用しない点については、

NEC総研の成川氏がざっくりとした数値を述べており、SNSの4分の3

は1つのサービスだけに参加していると指摘しています。理由は

他のSNSを利用する場合、利用者は現在利用している『人的ネット

ワーク』を再度構築しなければならない点が大きいと考えます。mixi

の場合、既に800万人以上の人的ネットワークを構築しており、

800万人のユーザーの切り崩しは困難であると考えております。

 2点目の『音楽』という切り口も個人が自分でお気に入りの

アーティストの楽曲を勝手にアップして聴くということはアーティスト側の

PRの場合を除き難しいと考えております。例えPR的な目的で楽曲や

の配信を行うとした場合でも、mixiと比較したメディアの力の差は歴然

であり、国内での成功を考えた場合疑問が残ります。

(但し、洋楽の場合はこの限りではないですが・・・)。

 こうしたことを考えるとmixi的なビジネスモデルでSNSサービスを今後

国内で成功させるのは難しいと考えております。

【今後どのようなSNSが伸びていくのか】

 では、今後どのようなサービスが伸びるのかを考えた場合、『便利ツール』

『PRツール』としてのSNSが伸びる可能性があると感じます。

 『PRツール』の一つの例としては例えば特定アイドルなど、熱狂的な

ファン層の獲得・マーケティングを目的としたSNSが考えられます。

PRツールとしてSNSを利用した場合、マーケット/ターゲットが明確であれば、

スポット的なPRではありますが過去にも成功事例は多く、今後が期待でき

ます。

 『便利ツール』としてのSNSの活用も様々なビジネスを組み合わせて

仕組み、仕掛けをしていけば、ビジネスとして成り立つSNSサービスを提供

することができると考えております。

 『便利ツール的』なSNSは恐らく近いうちに出てくるのではと感じております。

 今後、どのようなSNSサービスが出現するのか、出来れば日本初の伸びて

いくのか楽しみです!

 

 

Comment(0)