スマートフォンは売れるのか? ~顧客ニーズ/潜在的市場規模から考察~
ここ最近、スマートフォンに関する記事を見かける機会が増えている。
ここ数カ月でNTTドコモ、ソフトバンクモバイル、イーモバイルに加えて、先日KDDIも
スマートフォン市場への参入を決めた。
スマートフォンに対する期待感はあるものの、現在販売されている
携帯電話と比較して、売れるのだろうか?
① スマートフォンに対するイメージとユーザーが携帯電話購入の際に
重視する項目の比較
② アイフォーンの潜在的な市場規模(ターゲットとなり得るユーザーがどれだけ存在するのか)
上記2点から、スマートフォンが売れるものなのか考察してみる。
【 ユーザーニーズについて 】
2007年にマイボイスコムが行った調査によると、携帯電話を選ぶ際に重視
するする項目は、『デザイン(37.9%』、『メニューや機能に慣れている(20.2%)』
が上位であった。つまり、デザイン性やユーザビリティを挙げる対象者が多かった。
一方、スマートフォンのイメージについて、ネットエイジアの調査によると、
機能性の良さが上位を占めているものの、デザインに関する項目を選択上位には
見られなかった。
機能の印象は、『パソコンとの連携性がある』、『他のアプリケーションとの
連携性がある』、『パソコンで使用したファイルを使える』などビジネス機能寄りの
イメージが上位に挙げられており、ユーザーが携帯電話購入の際に重視する事項とは異なる。
【 アイフォーンの潜在的な市場規模 】
ユーザーニーズを鑑みると、スマートフォンは『ホワイトカラー層』、『ITリテラシーの
高い人』に対してのニーズが高いと思われるが、潜在性な市場規模はどの程度想定させるの
だろうか。
総務省統計局の公開データによると平成19年時点の日本の正社員の総数は従業員は3,411万人
であった。そのうち、スマートフォンのメインターゲットとなり得る、『ホワイトカラー層』、
『ITリテラシーの高い層』を絞り込んでいくと、さらに潜在的な市場規模は狭められる。
さらに、アイフォーンに興味を持つユーザーまで絞り込むとその数は・・・。
【ユーザーニーズ/アイフォーンの潜在的な市場規模から見る考察】
上記、特定されたターゲットに対して、携帯・PHS事業者がしのぎを削ることになった場合、
1事業者あたりで獲得できるユーザー層は限られてくるのではと思われる。
また、仕事でアイフォーンの活用を考えた際に、『携帯』というカテゴリーの中では、
便利なツールになり得るが、ビジネスシーンで利用する場合はノートパソコンを使った方が
より、便利なのではと考えてしまう。ネットインフラが整った現在を考えるとなおさら
である。
携帯事業者にとって、ターゲット層をより幅広く考えても良いのかなと感じる。