SNS・・・どうなのよ!?ねとらぼ『ユーザーの55% SNSへの興味無くなってきた』を読んで思う事。
少し前になりますが、ITメディアで日本のSNSユーザーの55%がSNSへの
興味が無くなってきている旨の記事を目にした。
やれ、実際のところはどうなのだろうと、Alexaにて『mixi』のPV数を
確認したところ、確かにPV数は減少傾向であることが見られた[参考データ1ページ]。
SNS利用者が興味を無くしている理由について、今回調査レポートをリリースした
シノベイトの藤本氏はこのように解説している。
「日本は短期間でSNS人気が高まった。mixiのブームが最高潮だったとき、SNSに
興味がなかった人もとりあえずmixiに参加したが、それは長くは続かない。
mixi上の友人は実社会上の友人であるケースが多く、再び従来のコミュニケーション
スタイルに戻ったとも考えられる」
上記コメントについて、確かに自分の周りを見渡しても、以前に比べてmixiを活用
している人は少なくなっている感がある。
ネット上での「人間関係型」のビジネスモデルに限界に差し掛かっているのでは、
可能性がある。シノベイトの調査データによると、日本では、米国やオランダに比べて、
「リアルな友達よりもネット上の友達の方が多い」「ネット上で友達を作るのは簡単だ」
と回答した対象者は少なかった。この結果は他国に比べ、日本ではネット上で積極的に
友達を作る/つながりを持つという文化は、日本で根付づいているとは言い難いとも捉えら
れる。リアルな友達については、日常生活のコミュニケーションで事足りてしまう
気してしまう。
SNSは成熟、衰退していくのだろうか。。。。。
【SNSビジネスは変化し、今後も続いていくのでは・・・】
SNSビジネスについてもう少し、考えてみたいと思う。
SNSの特徴とは・・・。ウィキペディアでは以下のように特徴を定義している。
・プロフィール機能
・ユーザ検索機能
・日記(ブログ)機能
・コミュニティ機能
・メッセージ送受信機能
SNSの収益モデルの柱は以下の通りである。
・広告
・プロモーション(販売促進やサイトへの誘導など)
・課金モデル
既存のSNSビジネス(プロフィール機能、日記機能、コミュニティ機能)に代表される
「人間関係型」の機能と、広告ビジネスとの親和性があるかと言うと、難しいように
思われる。
ガートナーのアナリスト、Sarner氏もCNETのインタビューで『(企業は)コミュニティー
に殺到し、つながりを持とうとするが、もっぱら双方に共通する目的がないため、
失敗するだろう』と述べている。
また、「ソーシャルメディアキャンペーン」の半数は失敗と指摘している。
では、結局のところ、SNSは今後どうなのか。盛り上がるのか?沈んでいくのか?
答えを説くそのカギは、ユーザーがSNSを利用する目的に見ることができると思われる。
地域コミュニティサイト「Lococom」の調査データによると、SNS・コミュニティサイトに
ついて、『自分の趣味や関心ごとについて、さらに深い知識を得られる場』と回答した
対象者が57.2%と最も多かった。SNS、コミュニティサイトを、『情報検索の場』の一つ
一つとして、活用していると考えられる[参考データ2ページ]。
ユーザー情報検索作業の中で、目に留まる機能(例えばレビュー機能に代表される
コミュニティ機能など)が注目されるのではないだろうか。
SNSの垣根を越えてしまうが、アットコスメや食べログに代表される口コミサイトや、
価格コムのように、ユーザーレビュー機能がついているサイトのPV数は増加傾向である
[参考データ4ページ]。
富士通総研が公表した調査データでも、こうした用途での、個人ブログや口コミサイトの
メディア性をユーザーが重視しつつある傾向が見られる[参考データ3ページ]。
『人とのつながり』ではなく、『商品やサービスに関するコミュニティの場』という
情報検索的な機能が今後のSNSを盛り上げていくのではないだろうか?
今後のSNSに期待するところである。
●参考
ITメディア記事: 『ねとらぼ ユーザーの55%「SNSへの興味、なくなってきた』
シノベイト調査データ: 『シノベイトによるSNSに関する意識調査』
ウィキペディア: 『ソーシャルネットワーキングス』
CNET記事: 『ソーシャルメディアキャンペーンの半数は失敗--アナリストが指摘する理由』
Lococom調査データ: 『SNS、コミュニティサイト利用者の実態・意識調査』
富士通総研: 『ブログCGM利用実態調査』